先日、東大の受験会場で17歳の少年が刃物で3人を傷つけるという事件が起きました。医師を目指して東大受験を目標にしてきた少年は成績が振るわなくなり、誰かを殺して自分も死のうと考えたそうです。
夫がニュースを聞いていて、こんなことを言っていました。
医者になりたいなら、東大に行く以外にも方法はあるだろう。東大に行けないくらいでこんな事件を起こすなんて、よほど親に圧力をかけられたんだな。
親に悪気はなかったのかも
夫以外にも同じような意見の人がいるかもしれませんね。しかし、私は今日本中で、こんなふうに言われているであろう、少年の親が少し気の毒でした。確かに、親が少年に圧力をかけたのかもしれません。それは当事者以外わからないです。
もしかすると、少年の親が東大出身の医師だったのかもしれません。少年はそれを見て育ち、自然と自分も東大に進むものだと思っていたとしたら…とか、親が世間話のつもりで言ったことで(例えばお医者さんって立派な仕事よね~、あんな息子がいたらいいだろうな、など)、少年が自分を追い詰めてしまったとしたら、とかいろいろなことが考えられます。
親がどんな言葉を投げかけようと、それを受け止めるのはほかならない子ども自身です。子どもには受け止めないという選択もできます。確かに親が子どもを養育している以上は、力関係ができて、親の言葉が圧力や呪いになることはあるでしょう。
しかし、大半の子どもは親の言うこと「若いうちに苦労しろ」だの「結婚相手は考えて選べ」だのを受け止めずに生きています。まあ、少年は受け止めないことができないほど、追い詰められていたのかもしれませんが。
親って大変、親って苦しい
少年や親のことを庇おうとは思っていませんが、何でも親のせいと言うのは、ちょっと苦しいな、と思います。私も親のせいでお前の娘は引きこもりになったんだと言われたら、本当に苦しいです。私は引きこもりにしようと思って娘を育てていないですが、少年の親も受験会場で事件を起こすように息子を育てたわけではないでしょう。
少年のやったことは小さいことではありません。彼に理由もなく傷つけられた人には、この先ずっと影響が残るはずです。多分彼は医師にはもうなれないでしょう。これからの長い人生をどうやって生きていくのか、それを一緒に考えなくてはならない親も苦労の連続だと思います。
親って大変、親って苦しいそんなことを思った事件でしたが、きっと私の今の状況がこんなことを思わせているのでしょう。