基本はお金

生活

最近、感じているのはお金の大切さです。夫の弟が入院したとき、医療費や未払いだった税金を私たちで肩代わりをしました。返ってくるのかどうかは未定です。

そのときは弟の命が危ない状態かもしれないと思い、医療費を負担することに異存はありませんでしたが、行きがかり上、未払いだった税金や駐車場台までを肩代わりしたときには、いったいどれくらい負担しなくてはならないのかと、私は不安になってしまいました。

お金のある無しが心に影響する

夫には申し訳ないですが、私は自分で納得できない高額の出費は、心にまで影響することがわかりました。逆に弟が退院して、これで当分は我が家の出費はないのだと思うと、今度は開放感を覚え、気持ちも落ち着いたのです。

このことから、私はすべての基本はお金なのではないかと思い至りました。今まで私が経験した危機はお金に関することが多かったように思います。子ども時代に父が病気で働けなくなったこと、結婚してから夫が失業したことなどで嫌な思いをしてきました。

このときの嫌な思いというのは、今考えるとお金が足りなくなる不安があったのではないでしょうか。もちろん、家族の誰かが病気になったとき、お金だけではすべてが解決できません。しかし、お金があれば解決できることもたくさんあります。

例えば病室。病院の大部屋で落ち着いて眠れると言う人はあまりいないでしょう。夫の弟も、入院生活に耐えられないと言い出したのは、病室が大きな原因でした。それでも、個室に入るのには、さらなる出費が必要です。経済的な理由で大部屋を選ぶ人は多いでしょう。

家族との関係もお金で変わる

お金だけあっても、家族や友人との仲が悪ければ不幸だと思われるかもしれません。それはその通りですが、お金の心配をしないで済むなら、心に余裕が生まれます。「これ以上支払えない!」とか「なんで我が家にはこんなにお金がないのか?」などと考えずに済みます。

家計費がかさむとき、夫(妻)のせいだと感じて、ケンカになった経験はないでしょうか。夫の飲むほんの少しの酒が、妻の買ったたった一枚の洋服が家計を圧迫しているのだとお互いに非難をし合ったことが我が家ではあります。これは単に自分は非難されたくないから、相手の落ち度を先に見つけてしまえという気持ちがあったのかもしれません。

しかし、もし心に余裕を持っていれば、本当に家計が苦しい場合は、お互いを非難しあっている場合ではないことがわかるでしょう。もっと他(この場合なら、無駄な固定出費を二人で見つけるとか)に目を向けるべきだとわかります。

お金の心配がないと、心に余裕が生まれ、トラブルが起こった時も建設的に話し合いができるはずです。そんな話し合いをしていれば、自然と家族関係は良くなるのではないでしょうか。

家族は人間関係のもっとも基本的なものだと私は思っています。家族との関係が良くなれば、家族以外の人との関係も良くなることが想像できます。

快適さもお金で手に入る

また、ある程度の快適さはお金を出せば手に入れることができます。例えば家電製品。効きの悪いエアコン、今ひとつ冷えない冷蔵庫、画面がキレイに映らないテレビ。どれもまったく使えないことはないし、毎日少しずつ劣化をしたために、自分でも慣れてしまっているように感じていますが、ほんの少しの不便、ほんの少しの不愉快が積もり積もっているかもしれません。

そしてイライラも積もって、家族の些細な言動に腹を立てているのかもしれません。私は昨年冷蔵庫を新しく購入しましたが、こんなに気分が良いのかと驚きました。野菜室の野菜がビックリするくらい長持ちするし、冷凍庫に入れたものが霜だらけになりません。

冷蔵庫の中のものが劣化する度に、私自身の家事能力の低さが原因かと思っていましたが、そうではありませんでした。原因は冷蔵庫だったのです。私はお金を出して冷蔵庫を手に入れましたが、同時に快適さも手に入れたのです。

生活が快適になれば、やはり心に余裕が生まれますから、家族との関係が良くなります。

お金が基本だから必要なもの

我が家もそうですが、そんなに思い通りの収入を得られる人たちばかりではないでしょう。だから、不意の出費に備えて貯金が必要になるし、トラブルに備えて保険に入る必要もあるのです。

例えば家ですが、これは新しいものを購入して、それで終わりではないはずです。数年経つと壁や屋根など様々なところを補修する必要が出てきます。そして、それにはかなりまとまった金額がかかるのです。

しかし、新しく家を購入したばかりだと、数年後の補修のことを考える人はいないでしょう。20年先なんて遠い未来だと考えるかもしれませんが、その未来は意外に早くやって来てしまうのです。

なんだか当然のことばかりを書いてきましたが、これを私はつい最近までまったくわかっていませんでした。もっと早くにこれが実感できていれば、と思っています。自分たちがつましく暮らしていれば、と思っていましたが、いくら生活をつましくしていても、人生には思わぬことがあるものです。

基本はお金、これがわかるまでに随分と回り道をしたような気がします。なんとか不意の出費に怯えることがないように生きていきたいものです。

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