それほど気にしていなくても、いざやめようとすると、突然すごく気になってしまうことがありませんか。禁酒のことを考えた途端に、酒のことばかり考えてしまうことが、誰にでもあると思います。
考え方を変えるには、ポジの部分を見つめること
こんなときに、炭酸水やお茶を飲んで気を紛らわすのも1つの方法です。でも、一生自分をだましだまし生きていくのは大変です。気を紛らわしながらも、自分が変化していく方法を探しましょう。
すごくお金がかかったり、手間がかかったりする方法だと続きません。誰かに協力してもらうというのも、場合によっては難しいでしょう。我が家では夫は私以上に酒好きなので、酒は減らさなくてよい、という考えでしたから、協力は望めませんでした。
それならどうするのかというと、自分の考え方を変えるのです。
例えば毎日酒を飲んでいた人が、週に1度(これでは禁酒ではないというご意見もあるでしょうが、今回はご容赦ください)にすると酒が飲めなくなった、と感じます。でも、本当は飲めなくなったわけではありません。週に1度飲んでもよいのです。
週に1度、酒を飲む日においしく飲みたい、だから今は我慢しようと考えてください。今飲めないことだけに意識を向けないで、来週の○曜日には必ず飲もう、と考えましょう。慣れてくると、家族に酒を進められても、今度飲むから、今はいらない、とはっきりと断れるようになります。
ネガティブな考え方は、ただのクセだった!
飲めないことだけに意識を向けてしまうのは、決してその人が酒好きだからでも、意地汚いからでもありません。多分長い間に考え方にクセがついてしまったのでしょう。
クセを治すには時間がかかります。でも、諦めなければ必ず治ります。
よく昔からコップに入った水が半分になると、まだ半分残っていると考える人と、もう半分しか残っていないと考える人の2種類がいるといいます。後者がネガティブでよくないというわけではありません。危機管理をするのは、もう半分しか残っていない、と考える人の方が向いているようですから。
でも、禁酒(そのほかの食事制限でも)をするなら、ネガティブなままだと少し自分がしんどくなるかもしれません。自分は酒を飲めない、というネガの部分だけに目を向けずに、ポジの部分にも目を向けましょう。
酒がなくても、ポジの部分はこんなにある!
酒を飲めないときでも、友人や家族と会話を楽しめます。酒を飲んでいないときの方が、深い話ができるかもしれません。
酒以外にもおいしい飲み物はたくさんあります。おいしい食べ物も味わえます。酒がないとおいしいものがもったいない、とは酒好きな人がよくいうセリフですが、果たして本当でしょうか。酒を飲んでいないときでも、おいしいものは間違いなくおいしいです。酒を飲まないと胃腸の調子がよくなるので、もっとおいしく味わえるようになります。
調子がよくなれば、酒もおいしく味わえるようになるでしょう。飲酒の頻度が減っても、質が上がるので、満足感が大きくなるはずです。
このように酒がなくても、自分の周りにはポジの部分がたくさんあります。それを今までは自分で見つめようとしなかっただけです。
禁酒でわかる!自分の人生は自分で決める
人間はいつでも酒をおいしく飲めるのかというとそうではありません。
私の父は49歳で脳卒中で倒れてから、ずっと自宅療養をしていましたが、70歳ごろに肝臓ガンが発見されました。ガンだとは告げずに、3年ほどで亡くなりましたが、その頃から父は酒の話はしなくなりました。
突然飲めなくなってしまうより、自分でコントロールをして、長い間楽しむ方がよいのではないかと、側で見ていた私は思ったものでした。何を飲むか、何を食べるかは生きることそのものです。自分の生き方は自分で決めるのが現代人ですよね。それなら、飲酒も自分でコントロールするのが当然ではないでしょうか。
コツがわかれば、人生が変わる
繰り返しますが、禁酒中の考え方のコツは、ポジの部分を見つけることです。もともと自分の側にあったたくさんのポジの部分をもう1度見つめ直してください。1度考え方を身につけると、きっといろいろな部分で役に立ちます。考え方が明るくなると、精神的に落ち着いてきますから、周りの人との関係もよくなるでしょう。
週に1度酒を飲むのは、完全な禁酒ではないかもしれませんが、自分が飲酒をコントロールしている達成感は十分に味わえます。達成感を何度も味わうと、自分への評価が自分の中で変わってきます。自分をダメなやつ、だらしがないと蔑まないでも済みます。 禁酒で人生が変わるというのは、こういうことだと私は思います。