娘が2人います。次女は大学を中退してから、ずっと家にいますが、長女はコールセンターでバイトをしながら、漫画を書くという2足のわらじをはいています。もともと自分がやりたかったことをしているせいか、2足のわらじはさほどキツくないようです。
また、バイトがせいぜい週に3日というのも続けられる理由のようです。週に3日は少ないと思われるかもしれませんが、長女は国民年金と、健康保険を自分で払っていますし、少ない金額ながら家にもお金を入れてくれます。
夫は長女が正社員ではないことで、将来を考えると不安だといっていますが、自分自身のことを考えると、正社員にこだわっても、あまりよいことはないのではないかと思います。
何かとてもやりたいことがあって、その仕事がたまたま正社員ならラッキーですが、正社員になることが目的になってしまうのは、ちょっと違うのではないでしょうか。
目的は生きていくことで、正社員になることじゃない
昔の私が正にそれで、大学卒業が近づくと、早く正社員になって経済的に自立して、親の負担を減らさなくてはと考えていました。父が49歳のときに脳溢血で倒れて、働けなくなっていたので、親は私に経済的な自立を望んでいました。私は正社員として採用してくれるなら、どんなところでも頑張ろうと考えていました。
ただ、その考えは就職してすぐに破綻してしまいます。正社員になることしか目標がなかった私は、その後どうしたらよいのかわからなくなってしまいました。
また、私が入社した会社も当時、大卒の女性を雇うことで、会社の成長を示したいだけでした(これは直接社長から聞きました)。採用しても、私に何の仕事をさせるのかも決まっていなかったために、私は『仕事がないからペン習字をしていて』といわれたこともありました。
そんな中で時間だけが過ぎていくことは、かなり辛く、私は体調がすぐれなくなりました。
私が就職した当時(昭和の終わりの頃でした)は、週休二日制もまだ完全に定着しておらず、週に6日出勤することもありました。会社で過ごす時間が長い中で、私はドンドン体調が悪くなり、結局、最初に入社した会社をわずか半年で退職してしまいました。
子どもに教えられた、生き方は1つじゃない
今の長女のように、自分のやりたいことを大切にしながら、経済的に困らないように仕事もする、というのは私にとってはかなり柔軟性があって、よい生き方に思えます。私にもその柔軟性があれば、今もっと違う生活をしていたかもしれないな、とも思います。
完全に自立したとはいえない生き方かもしれないけれど、長女の生き方からは、私も学ぶところがあります。現在長女はある週刊誌の巻末の懸賞ページの4コマ漫画を書いています。ただ、長女の望むのはもっと別な場所なので、この先まだまだ自立への時間はかかりそうです。
私や夫が元気なうちに自立を果たして欲しい、とは思っていますが、「自立しろ!」といってもするものではないので、今は静観しているわけです。