仲本工事さんの死に思う・なるべく良い死に方をしたいけど、人生は思い通りにならないだろう

テレビ

仲本工事さんが亡くなりました。私と同年代の方の多くがそうであったと思いますが、私もドリフターズの「8時だヨ!全員集合」を見て成長しましたから、仲本さんがこのような亡くなり方をしたのは少なからずショックでした。

横断禁止の道路を歩いて横断しているときに、福祉施設の車両と事故を起こし、頭を強く打ったことが原因で仲本さんは亡くなっています。なぜ、そんなことをしてしまったのか、今となっては確かめようもありません。

運転をしていた男性も気の毒

仲本さんと事故を起こした車両を運転していたのは70代の男性だったそうです。亡くなってしまった仲本さんはお気の毒ですが、私は運転をしていた男性もまた、気の毒でたまりません。仲本さんに非があったとしても、運転をしていた男性には自分が仲本さんの命を奪ってしまったという気持ちが残ったはずです。

彼は残りの人生を、その思いとともに生きていかなくてはいけないのです。自分が死ぬことで、他の誰かに責を負わせるのは決して良い死に方とは言えないでしょう。昭和の子どもたちにたくさんの笑顔を与えた仲本さんとしたら、なおさらです。

人間、自分の死に方を選ぶことはできませんから、これも仕方のないことです。しかし、せっかく80歳を過ぎるまで生き抜いて来た仲本さん、もし神様がいらっしゃるなら、彼にもっと穏やかな最期を与えて欲しかったと思わずにはいられません。

もしかすると死とはそういうものなのか

私は自分の母が亡くなったときも、同じことを考えました。母はなくなる直前、病気の影響で幻覚や幻聴が激しくなり、まったく家族とのコミュニケーションは取れなくなりました。自分だけの世界に閉じこもったまま、自分は拉致されている被害者だと思いながら亡くなったのです。

そのとき母は79歳でした。私とはそれほど仲良し母娘ではなかったけれど、苦労の多かった人生を一生懸命に生き抜いて来た人です。もう少し、穏やかな死が与えられても良かったのに、と思いました。最後にしみじみ家族と語り合う時間くらい与えられても、バチは当たらないだろうと本気で思っていたのです。

母や仲本さんを見ていると、どうやら死とは私が考えている以上に思い通りにはならないもののようです。良いことをした人だから、一生懸命に頑張ったから、といって穏やかな最期を迎えられるとは限らないみたいです。

それならそれで仕方がありません。まあ、私もこれからますます足腰が弱るでしょうから、横断禁止のところは渡らないように気をつけます。後は良い死に方にこだわらないよう、自分の考えを変えて行こうと思います。自分の最期までコントロールできると思うのは、おこがましいことですから…

これから冬に向かいます。誰かが亡くなる知らせを聞くのは寂しいですね。

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