人間はいつも納得できることだけを言うとは限らないけれど

家族として生きるって難しい 生活

人間の言うことは、いつも納得できる理にかなったものであるわけではありません。その日、そのときによって体調が違えば考え方も変わるでしょう。そもそも相手が自分とは考え方が違う可能性もあるため、いつも人の言うことに納得できるとも限りません。

それでも、あまりにも納得できかねて心に残っていること、というのもあります。

築5年の家を築100年の実家と交換しようと言った夫

私たち一家は夫の実家の敷地内に家を建てて生活しています。1994年に家を新築、5年後には夫の実家で暮らしていた祖母が亡くなりました。夫の父と母は早くに亡くなったため、実家では祖母と夫の弟が2人で暮らしていました。

祖母が亡くなったことで、築100年近い大きな木造家屋は弟が1人で住むことになったのです。そのときに、夫がこんなことを言い出しました。

この機会に、俺の家とばあちゃんの家を交換したらどうだろう。弟は1人暮らしなんだから、家はそんなに広くなくても良いんじゃないか?交換したらちょうどいいよ。

確かに祖母が暮らしていた家は広々としていましたが、私は現在もまだ住んでいる自宅の広さを不満に思ったことはありません。それに、当時まだ建てて5年しか経っていない自宅を明け渡すなど、考えられませんでした。夫の弟もしばらく口を開けて夫の言うことを聞いていましたが、やっとこう言いました。

「もう、この家は古いよ。せっかく新しい家を建てたんだから、そのまま住んでいた方がいいんじゃないか?」

夫の言動にショックを受けた私

しかし、夫は新しく建てた家の不満(建材の臭いがきついとか、風通しが悪いなど)をあげ、俺は古い家の方が良いと、なおも家を交換しようと言い続けました。家が古くて傷んでいるなら、手を入れれば良いのだから、とまで言い出しました。

夫には2人の弟がいますが、それが2人揃って、「手を入れると言っても、お金がかかるよ。下手をしたら新しい家が一軒建つくらいかかると思う。馬鹿なことは言わないで、そのまま今の家に住んでいた方が良いよ」と、普段の姿(普段はもっぱら夫が弟たちを諌めていました)からは想像もできない熱心な様子で説得をしてきました。

それで夫は渋々自分の言ったことを取り下げたのですが、私はとてもショックを受けました。家に住んでいたのは夫1人ではありません。私や娘たちも一緒に住んでいたわけです。それを勝手に家を交換しようと言い出したことで、この人は私や娘たちのことは何も考えていないのではないかと思えたのです。

夫の真意は?

今は、こんなふうに思っています。夫は実家がなくなるのが嫌だったのではないでしょうか。人が住んで常に手入れをしなくては、家はすぐに荒れてしまいます。実際に夫の実家は祖母が亡くなってしばらくすると、弟も出ていき、どんどん荒れて朽ちて行き、結果としては解体することになりました。

自分たちが住めば、そんな事態は避けられると夫は考えたのかもしれません。もしそれで実家を解体せずに済めば、弟も住むところを探して奔走せずに済んだわけです。

このように考えれば、夫のことをそう非難しようとは思わなくなりましたが、それでもやはり1人で勝手に家を交換したいと言い出した夫に納得できない思いを抱えているし、どことなく信用できないと思っているところがあります。

夫の祖母が亡くなって、今年で23年になりますが、いまだに私の気持ちはこんな状態です。誰かの言うことに、納得できるかどうかはとても大切なことを実感していますが、逆に納得していなくても、今まで家族としてやって来たわけです。

家族を作るって、一体どういうことなんでしょうね。

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