眠れないときに

生活

眠れないで布団の上でゴロゴロしていると、普段は思い出さないようなことを思い出してしまうことがあります。私は昨夜というか今朝、小学校の同級生のことを思い出していました。

関さんのことを今も思い出す

と言っても私が彼女と仲が良かったのではありません。でも、いくつになっても忘れられず、こうしてたまには思い出しています。

彼女の名前は関さんといって、小柄で細い女の子でした。私も体は大きい方ではなかったので、最初は穏やかに一緒に遊べるかと思っていましたが、彼女はとても負けん気が強くて、いっときもじっとしていない子どもでした。

関さんの右手は親指以外の指がすべて第1関節までしかありませんでした。生まれつきだということでしたが、この手でも誰にも負けないと言っていました。今考えると関さんは、人と違った手を持っていることで、負けん気が強くならざるを得なかったのかもしれません。

仲良くできずに居留守を使う

家の中で本を読んだり、絵を書いたりするのが好きだった私とは最初から気が合わなかったのでしょう。私はすぐに関さんとは遊びたくないと思いました。でも、関さんは毎日のように私を誘いに来るので、私はすっかり嫌になってしまいました。どうして良いかわからなかった私は、居留守を使うようになりました。

何回も居留守を使っているうちに、いつか関さんは家に来なくなりました。私の他にも、関さんのしつこい誘いが嫌で居留守を使った同級生がいました。私は少しだけそれを聞いて、安心したのを覚えています。

中学の制服を着れなかった関さん

関さんは私と同じ、地元の中学校に進学する予定でしたが、できませんでした。小学6年生の春休みに箱型ブランコから転落して、大けがをしたのです。関さんは下半身が麻痺して車椅子の生活になったそうです。病院での治療が終わった後は施設に入るので、もう中学校に通うことはないと聞かされました。

1度だけお正月に自宅に戻ってきた関さんに、他の同級生と一緒に会いに行ったことがあります。私は何を話して良いのかわからず、早くこの場が終われば良いのに、と思っていました。結局仲良くなれなかった関さん、居留守を使ってだましてしまった関さん、私には後ろめたさだけがあって、とても話すことはできませんでした。

その後

その後何回かはがきをもらったこともありました。住所には〇〇園と施設の名前が書かれていて、本当に家族と離れて暮らしているんだな、と思いましたが、それも何回も続きませんでした。関さんと私は同じ団地に住んでいましたが、長い年月が過ぎて、住民はほとんど入れ替わってしまいました。

私の記憶の中では関さんは12歳の女の子です。中学生になったら、手の手術をしてキレイにしてもらうんだと楽しみにしていました。私がこんなに関さんのことを忘れられないのはなぜだろうと思います。後ろめたさ、申し訳なさ、他にもいろいろありそうですが、私には今でもうまく説明できないのです。

自分とは合わない人だと思っても、何かあるとこんなにも考えてしまいます。一体私はどうすれば良かったのかと思うと、人と付き合うのが怖くなります。

布団の中で、関さんの記憶はまるでつい最近のことのように鮮明に蘇ってきました。この記憶を噛みしめているうちに、いつしか夜が明けてしまったわけです。私はきっと関さんのことを死ぬまで忘れないでしょう。

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