お腹の調子は大切

健康

誰でもお腹は快調な方が良いに決まっています。何日も便秘というのでは、気分が優れませんし、逆に下痢をしていても出かけるときに不安があります。他にもお腹が痛かったり、重苦しかったりすると本当に困ります。

便秘親子

私は子どもの頃から便秘症でした。幼児のときにはよくトイレで「うんちが出ないよ~」と泣いていた記憶がありますし、小学校に入学してからも、朝トイレで排便してから学校に行くという習慣がまったくできませんでした。

そんな私のことを母は殊のほか気にしていました。母自身、ひどい便秘症で薬が手放せなかったからかもしれません。とにかく何十年も同じ薬を飲んでいて、それがないと1週間でも2週間でも排便がないのだと言っていました。

私が中学生の頃、母は私が2~3日排便がないこともあると知ると、自分が飲んでいる薬を勧めました。これは漢方薬だから害になることはないというのが、母の主張でした。今なら漢方薬にも副作用があることが知られていますが、私が子どもの頃は、漢方薬というだけで、身体に優しくて害がないなどのイメージを持っている人が多かったのです。

母は毎日食事をしているんだから、毎日排便がないのは異常だよ、とも言い、それを聞いた私は納得、毎日便秘のために薬を飲むのが習慣になりました。それが4~5年も続いたころ、私は便秘と下痢を交互に繰り返すようになりました。それを気にしすぎたのでしょうか、胃の具合も悪くなり、夜中に胃が痛くなって眠れないこともよくありました。

便秘の薬を止めるように言われた

まだ20代前半という若さでしたが、私は大事を取って大きな病院で、胃カメラと注腸検査を受けたのです。結果私の胃は炎症を起こしているものの、それほど悪い状態ではないこと、便秘と下痢を繰り返すのは胃下垂のために腸が胃に圧迫されていて、動きが悪くなっているところに、便秘の薬を飲んで無理な排便をしていることが原因だろうと言われました。

そして医師は私に今の状態を脱したいのなら、便秘の薬にずっと頼っていてはダメだと言いました。便秘の薬はどうしても出ない時に飲むものであって、毎日飲むものではないこと、毎日薬を飲まなくても、自力で排便する力が人間にはあるのだと説明してくれました。

急に薬を止めるのは不安だろうから、整腸剤を飲んで腸の調子を整えましょう、そして最終的には何も飲まないで排便ができるようになりましょう、と医師は言ってくれ、整腸剤を処方してくれたのです。

母の方が反発した

これになぜか私の母は大反発しました。こんなことで、出るわけない、便秘の薬を飲んだほうが良い、と言うのです。しかし私は耳を貸さず、医師の言う通りにしました。すると1カ月ほどであっけなく排便することができたのです。

もちろん、朝からすっきりと言うわけではないし、旅行などで環境が変わるとダメなのですが、人間毎日機械のように正確には行かないと割り切ることで、乗り切ることができました。

母はその後79歳で亡くなるまで、便秘の薬に頼り続け、最後まで排便のことばかり気にしていました。病気になって自力でトイレに行くのが難しくなると、余計に問題は深刻になったようです。

私の顔さえ見れば、自分の便の話ばかりするので、少々悲しくなりました。現在も私は何とか薬に頼らずにやっています。たまには便秘だなと思うこともありますが、そんなに人間は調子の良いときばかりではないと思っているので、あまり気にしていません。

結局母は毎日排便がないことを気にするあまり、本当に病気になってしまったようです。私も危ないところだったのかもしれません。何でも気にし過ぎは良くないことを学びました。

あれだけ母が気にしていたこともありますが、お腹の調子は本当に大切だと思います。

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