産休・育休中のリスキリング(学び直し)について、私が今思うこととは

生活

岸田総理大臣が産休・育休中の人の学び直し(リスキリング)を支援すると発言しましたが、国民からは反発の声が出ています。産休や育休をとっている人の生活を知っていれば、リスキリングを…などという発言にはならないだろうと言うわけです。

確かに小さな子どもを抱えていると、リスキリングはおろか自分の食事や睡眠といった生きるために必要不可欠なことも保証できません。子どもや家族に食事をさせるのに精一杯、自分はキッチンで残り物をつまんでお終いというのは主婦(主夫)なら誰にでも覚えがあるのではないでしょうか。

リスキリングに夢が膨らんだが…

ただ、私自信が子育てをしていたとき、リスキリングに憧れはありました。実際に通信講座を始めたこともあります(校正を学びました)。小さな子どもを育てていると、常に自分の時間がないようでいて、今日は思いの外お昼寝が長いとか、一人遊びに熱中しているなど、ポカリと時間が空く時もありました。そんな時間を寄せ集めて、何か自分のためになることをしてみたかったのです。

何か新しい資格を取れば、子どもが手を離れたときに仕事が探しやすくなるだろうし、夫にも「せっかく〇〇の資格を取ったのだから、それを活かしたい」と宣言することができると考えました。夫に負担をかけずに資格を手に入れることができれば、一層堂々と仕事に出ることができると私は思ったのです。家事の分担だってしやすくなる、私の想像はドンドン膨らみました。

思えば当時、小さな子どもの世話をする自分と、男女共学の学校で学び就職して働いていた自分、どちらも私自身に変わりはありませんが、生活があまりに違い過ぎました。私はリスキリングを社会との細いつながりだと思っていたのかもしれません。そしてそのつながりにすがりついて、小さな子どもの世話に追われる毎日から少しだけ逃げたかったのかもしれないと今は思っています。

現実は甘くなかった

しかし、久しぶりにした勉強はつまらないもので、つまずいてばかり。その上、勉強から離れて10年経った私は、驚くほど記憶力が低下しており、以前なら1度で覚えられたことも2度3度の繰り返しが必要になっていたのです。

独身時代の貯金を取り崩して受けた通信講座だったため、何とか最後まで終了しましたが、終了したときには校正の仕事をしたいという気持ちはほとんどなくなっていました。リスキリングを諦めた私は、仕事をすること、夫と話し合って家事を分担して家庭を運営していくことなどをすべて諦めてしまいました。

今、思うこと

私はあのときのリスキリングを社会とのつながりにしたい気持ちを今でも抱く人がいるなら、それを後押ししてあげても良いのかな、と思いました。

ただ、産休・育休をとった後、復職する時に手土産(新しい資格とか)がいるような職場はそれほど働きやすい環境ではないでしょう。リスキリング云々よりももっと考えることが必要です。そしてリスキリングは産休・育休中の人だけでなく、どのような状況の人であっても後押ししてもらえればありがたいと思います。

校正の通信講座では痛い目を見た私ですが、長女が1歳になったときに自動車免許を取りました。夫の実家に帰ることが決まり、ぜひとも免許をという話になったのです。どうせ免許を取るなら、子どもが赤ちゃんのときの方が取りやすい(幼稚園に行くようになると送り迎えがあるため時間制限が多いという理由がありました)、という同級生の言葉も後押しになりました。

このときは夫の全面的なバックアップがあったため、無事に免許を取得することができました。それからほぼ30年が経ちますが、買い物・送迎などでこの30年、何度運転したかわかりません。それだけ役に立ったわけです。だから私は産休・育休中のリスキリングをすべて否定することはないと考えています。

まあ、リスキリングを考えるだけではダメで、産休や育休といった期間をいかに健康的に過ごしていけるか(社会との接点をどうやって持つか)も考えなくてはいけないということですね。岸田総理大臣はリスキリングのことだけを言い出したために、反発が起きたのかもしれません。

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