先日、ブログを読んでいたら、敷地内同居(親世代の家の敷地内に子世代の家を建てる同居方法)について書いてある記事を見つけました。
記事を書いている人は、かつての私と同じ様子でした。いつも義理のご両親に見張られているような気がするのだそうです。
本当に見張っている?
私の場合は同居していたのが夫の祖母でした。祖母は私と娘たちのことが気になって仕方がないのに、どう接したら良いのかわからなかったのだと思います。
わからないので、つい見ていることになったのでしょう。また、敷地内に新しい家が建ったことにも、祖母はなかなかなじめなかったようです。
敷地内に私たち夫婦の家を建てるのは、祖母の望みでもありましたが、新しい家を見慣れるのには、時間がかかるのも当然でした。今までは広々としていた前庭に新しく家が建ったことで、祖母は圧迫感すら覚えていたようです。
当時私は自分だけが、慣れない環境で苦労していると思っていましたが、それは祖母も同じということを思いやることができませんでした。それにもし同じ屋根の下に暮らしていても、見張られるのは同じことでしょう。違う家に住んでいる分、私は精神的に楽だったと思います。やはり私は敷地内同居で良かったです。
今では、もう少し祖母の気持ちを考えても良かったと思っています。それに敷地内同居のデメリットが本当にわかるのは、祖母が亡くなってからだったのです。
敷地内同居の行く末
祖母が亡くなると、当然それまで住んでいた家は空き家になります。人が住まなくなると、家の劣化は激しくなり、あっと言う間に祖母の家は廃墟のようになってしまいました。
祖母が亡くなって10年以上過ぎる頃には床が腐り、大雪が降ると屋根の瓦が落ちてくるほどになり、危険を感じるようになったのです。
仕方なく取り壊しをしましたが、かなり高額な費用がかかりました。夫は両親を早くに亡くしていたため、祖母の家には両親の遺品もそのままになっていました。
業者に依頼しようとしましたが、不用品の処理だけで取り壊し費用にさらに30~40万円が上乗せされると言われ、夫はコツコツと一人で片付けをやりました(私もたまには手伝いました)。
取り壊しを決めても、いろいろ面倒!
もう取り壊すと決めてしまえば、後戻りはできませんが、それを決めるまでには葛藤があります。家を建てることに使うお金は惜しくありませんが、壊すためにお金を使うのは何とも納得できませんでした。
また、壊すと決めてもどの業者を選ぶかが問題になりますし、工事が始まってからも、お茶出しなどで気を使います。現在、お茶出しは遠慮しますという業者さんも多いのですが、我が家の土地柄もあったし、取り壊し工事は時間もかかるため(我が家の場合は2週間以上かかりました)、知らんぷりはできませんでした。
敷地内同居の本当のデメリットは…
結局、敷地内同居のデメリットは、余計な費用がかかることに尽きると思います。いくら自分の家を建てたといっても、それで安心できるわけではありません。いずれさまざまな補修工事が必要になります。家を建てたとしても、貯蓄が必要です。そして敷地内同居をしていると、さらに親世代の家の取り壊しの心配もしなくてはいけません。
いずれは自分たちが親の家を引き継いで、子どもたちに今の家を譲れば良いという考えもあるでしょうが、果たして親たちが住んだ古く、劣化した家にわざわざ移りたいと思うでしょうか。
子どもたちも成人して無事に結婚したとして、住む家は自分たちの希望通りにしたいでしょう。住む人のいなくなった家はお荷物になってしまう可能性が大きいのです。
これから敷地内同居を始める人へ
しかし、いくら後悔してもすでに現在の家に住み始めてから(敷地内同居を始めてから)27年が経っています。私たち夫婦はこれで良かったと思うしかありません。
敷地内同居を希望する人は、土地代を浮かせて節約したいと考えている人が多いと思います。我が家も敷地内同居をしなければ、きっと戸建てに住むことはできなかったでしょう。土地代が浮くというのは、敷地内同居の最大のメリットです。それなのに後で余計な出費をするようだと、がっかりしますし、年をとってからの出費は一層負担に感じます。
これから敷地内同居をしようと思っている方は、ぜひご両親が亡くなった後、残された家をどうするのかまで考えてみて下さい。そして少しでも余計なお金を使わないで済むようにして欲しいと思います。
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