デザインフェスタに参加するためにかなりアルバイトを休んでいた長女ですが、先週末からまた通常モードに戻ったようです。昨日の夜、久しぶりに仕事に行ったらせっかく入った女性の新人さんが辞めていたと言っていました。
シニアだけど新人さん
新人さんと言っていましたが、年齢は私(58歳)よりも上だったそうです。なぜ辞めたのかと言うと、新人研修が終わらず、いつまでも一人で電話に出ることができなかったからです。
長女の職場はコールセンターですが、かつてとは違い、1つの企業に1つのコールセンターがあるわけではありません。今は1つのコールセンターがさまざまな職種の企業の電話受付を一気に担当しているため、どのような企業にかかってきた電話にも応対できるように、厳しい研修があるそうです。
とは言え通常の研修は1ヵ月程度で、その後は大体の人が1人で電話に出ているようです。先日辞めてしまった新人さんは3カ月経っても研修が終わりませんでした。
教える役目の人も大変でした。新人さんは言われたことは忘れてしまうため、忘れないように手順を書いてプリントにして渡しても、それを臨機応変に活用することができない、そして同じことを何度も聞いてくるため、精神的に参ってしまったようです。
教える役目ではない人たちも、何度も同じことを聞かれる、忘れては困ることも忘れてしまうため、仕事にならないと文句を言っていたそうですから、御本人も居づらくなったのかもしれません。長女もこんなことを言っていました。
忙しいときに何度も同じことを聞かれると、イラッとしてしまうけど、何しろ年齢的には目上の人だから失礼にならないように気を使って疲れたよ…
話を聞いていて物悲しくなった
確かに長女の職場の人たちは大変だったでしょう。文句を言いたくもなるだろうし、私もそれを責めるつもりはありません。しかし、長女の話を聞いているうちに私は物悲しい気持ちになるのをどうすることもできませんでした。
なんだか私自身のことを言われたような気がしたのです。私も今から7年前にパートの仕事に出たことがありました。久しぶりに仕事なので、最初からうまくいくはずがないとは思っていましたが、それは想像を越えていました。頭ではわかっているのに、身体が反応しないし、メモを取ろうと思っても、その余裕すらないのです。何かを忘れてメモを見て思い出そうとしても、どのメモが自分の求めている情報なのかがわかりませんでした。
こんなはずではなかったと何度思ったことでしょう。辞めてしまった新人さんもきっと辛かったと思います。年齢を重ねて物覚えが悪くなり、忘れっぽくなるのはみんな同じです。しかし、若い頃から仕事を続けてきた人が年齢を重ねたときには、その人の中には仕事の蓄積ができているのだと思います。
たとえ職種が変わったとしても、教えられた仕事を自分のものにして行くことは共通しているはずです。その蓄積は、年齢を重ねることのデメリットを十分にカバーできるのではないでしょうか。
外で仕事をしていない弱さ
その蓄積がないまま、突然新しい仕事をしようとすれば、うまくいかないのは当然のことかもしれません。だから働くことからまったく遠ざかってしまった人間は私も含めて、何かの事情で働きたいとなったときにとても不利だし、弱いな~と思わずにはいられません。
長女は呑気に「落ち着いて1つのことに集中できるような仕事を探せば、シニアでも大丈夫じゃない?」などと言っていますが、1つの作業に集中する仕事だと、今度は正確性と素早さを求められるでしょう。それもやはり蓄積が何もない人間にとっては大変なことだと思います。
今からでも、自分なりの蓄積を作っていけば良いのかな?そもそも作れるんですかね?