新聞で最近定年後の生活に焦点を当てた特集を組んでいます。定年を迎えた男性だけでなく、女性の心についても触れられている回もあり、大変興味深く読みました。タイトルに入れた「週に3日は外に出て!」というのは、定年を迎えた男性の妻が発した言葉です。
気持ちはわかる…
まず最初に、それまで妻は昼食は残り物やパンで済ませていたため、男性が毎日自宅にいるからと言って昼食を作る気にならない、面倒だと言ったそうです。そしてその後に先程の外に出てという言葉になったのです。
確かに私も夫が休みの日にお昼を要求されると、とても面倒です。たまに夫が1人でラーメンを食べに行ったりするとすごく嬉しいです。つまり、私も昼ごはんを作るのが面倒だし、夫には外に出て行ってもらった方が良いと思っているわけです。これは多くの女性に覚えのあることではないでしょうか。
男性はお昼を作るのが面倒だと言う妻の言葉に驚き、週に3日は外に出てという要求に戸惑います。結局男性は外に出ればお昼を自宅で食べなくても済むため、行く宛もなく外に出ることになります。行く宛がないため、電車の中で時間をつぶすこともあったそうです。
男性は居場所を失い、苦しみますがかつての職場の先輩に誘われ、退職者の集まりに顔を出すようになり、予定がうまるようになりました。自分で意識しなくても、妻の言うとおり週に3日は外に出られるようになったのです。
夫の定年退職はチャンス
ただ、夫が定年退職をするときは、いろいろと話し合うチャンスだと思います。昼食を作るのが面倒だというのも、もっと深い話をする必要があります。面倒だと言っても、食事の支度を毎日何十年もやった人でないと、本当のところはわからないと思います。多分夫が1回や2回昼食を作ったとしても、『これのどこがそんなに大変なの?』と思うのではないでしょうか。
しかし、夫が働いているのと同じ位の期間、私は食事の支度をしていたわけです。1回や2回は大したことがなくても、それが何十年も積み重なったときは大きな負担になります。何しろ実際に料理をする他に、何を作ろうかと考え、材料を調達する、後片付けをするなど、料理に関する仕事は多いのです。夫が仕事を辞めるなら、私も食事の支度を辞めるわけには行かなくても、少し負担を減らす方向に持っていきたいと思います。
そこをやらずに夫に外へ行ってもらっても、根本的な変化はないでしょう。定年退職してすぐの頃はよくても、体力的に外に出られなくなった時、再び一緒にいることが負担になってしまうと思います。
そうならないように、お互いにできる限りの譲歩をして(または意見のすり合わせをして)負担を感じない生活ができれば良いと思います。その生活を手に入れるためのチャンスが夫の定年退職なので、それを逃す手はないと思うのです。
我が家の夫の意見は
実は夫も同じ記事を読んでいます。最初は「今まで散々働いてきたのに、ひどいね~」と言っていたのですが、最終的にはこんなことを言っていました。
きっとこの奥さんは、旦那さんのことを思ってこう言ったんだよ。1日中、家の中にいたらボケちゃうからね。
このようにポジティブに受け止めてくれるなら安心です。定年退職の折には思ったことを言って、お互いに負担なく生活できることでしょう。それにしても、記事の中の男性は妻に一緒にテレビを見ようと言って、断られてしまったそうです。私にしてみれば、そんなのは当たり前です。
妻と夫は違う人間で、見たい番組も違うでしょう。今までは我慢できていたことが、年齢とともに我慢できなくなるのはよくあることだと思います。それでショックを受けてしまうなら、きっと妻の方は『面倒くさいな~、テレビ、もう1台買おうかな』などと考えるようになるのではないでしょうか。
まあ、妻の家は夫の家でもありますから、何とか平和的に共存できればそれに越したことはありません。人生の最後のステージを妻も夫も楽しく生活したいものです。新聞記事の男性も楽しく生活できるようにと願ってやみません(他人の心配よりも自分の心配をした方が良いのはわかっています)。