昨夜「おっぱいバレー」という映画がBSで放送されていました。過去にも1度見たことがありましたが、夫に付き合ってもう1度見ることになりました。
綾瀬はるかが演じる主人公は中学校の国語教師です。おっぱいをめぐる生徒たちとのドタバタはもうご存知の方も多いでしょう。私が今回気になったのは、主人公が教師になるきっかけになった事件でした。
主人公・美香子が教師になったわけに心を惹かれた
主人公の美香子先生は中学生時代、自分で自分のことを面白味のない人間だと感じながら、日々を過ごしていました。そんなときについ断りきれずに友だちと万引きをしてしまい、補導されてしまいます。学校は停学、毎日一人だけで自習をさせられます。
原田という初老の男性教師が美香子の自習に付き合い、毎日1冊の本を渡して感想文を書くように促しました。最初は適当にやり過ごそうとしていた美香子は高村光太郎の「道程」という詩集に出会って感銘を受けます。
「道程」の感想文は原田によりコンクールに出品されて金賞を受賞、自信を取り戻した美香子に原田は1つの道を示します。それが国語の教師だったのです。
人には多分、良いところも悪いところもありますが、それを自分では把握できません。もともと自分が得意なことは、生まれながらにできて当然と思っているところがありますから、得意だということにも気が付かない人が多いのではないでしょうか。おそらく美香子もそうだったのでしょう。
実は私にも温かな一言があった
自分が足りないこと、できないことだけに心を奪われていると、この先どうやって生きて行ったら良いのかという不安にとらわれることもあるでしょう。
そんなときに、映画の中の原田先生のように、誰かがその人のことをよく見て、こんな方向に行ってみたらどうだろう、と声をかけてあげられたら、とても素晴らしいことだと思います。
実は私も小学生時代に担任の先生から、こんな言葉をかけてもらったことがありました。
ゆみこねこさんは、いつも本を読んでいるのね。だから、お話が面白いんだね。将来は大学に行って、もっと本を読んだらいいわ。
「でも、私は算数も体育も成績が悪いから…」と言う私に対して、先生は更にこう続けました。
大学には文学部っていうところがあってね、そこは国語が得意な人が行くんだよ。そこに行けば、中学や高校の国語の先生にだってなれるんだよ。ゆみこねこさんなら、きっとなれると先生は思うよ。
私は国語の教師にはなりませんでしたが、先生の言葉を真に受けて、本当に文学部の国文科に進学したのです。
先生の言葉で救われた?
小学生当時の私は、運動はまるでダメ、成績も国語はまあまあでしたが、算数は不得意、あとは鳴かず飛ばずで冴えない生徒でした。運動音痴と成績がふるわないことは親からもしょっちゅうからかわれていて、私はコンプレックスの塊のようになっていたと思います。
先生の言葉で、私は自分にも良いところがたくさんある、私の未来は明るい、と思えるようになりました。
私という人間を冷静に見ると、先生の言葉があってもなくても、人生にそれほどの変化があるとは思えません。せっかく先生に温かな言葉をかけてもらっても、今の私の人生がそれほどすばらしいとは思えません。
しかし、先生の言葉で私の目の前が明るくなったのは事実です。救われたという思いが残っているからこそ、私は50年近く前の先生の言葉を忘れずにいるのだと思います。
次女にも温かな言葉がかけられれば…
私は次女にもそんな言葉がかけられて欲しいです。次女が自分の良いところに気がついて、それを頼りに人生を歩んで行ければ良いと思うのです。
その言葉は親がかけるのでは力が弱いのです。赤の他人から言われるから、素直に聞ける、本気にできることってあると私は思います。私のように救われたと感じる、明るく温かい思いを次女にもいつか味わってもらいたい、映画を見ながらこんなことを考えていました。
「おっぱいバレー」って、ただのギャグではなくて、なかなか良い話だったんですね。