我が家の西側には、隣との境にお茶の木を植えています。夫が子どものころにすでに植わっていたそうですから、相当古い茶の木です。夫の子どものころは、この茶の木の葉を摘んで、お茶を作り家で飲んでいたと言うことです。私が住んでいるのは茶処の北限と言われている土地ですから、茶の木が垣根になっていても別に不思議はありません。
垣根の手入れをしていたら茶葉を作りたくなった夫
この茶の木が伸びすぎたということで、手入れをしていた夫ですが、これで茶葉が作れないかと言い出しました。インターネットでいくつかの記事を読み比べた結果、お茶の葉を蒸してから乾煎りして手で揉めばお茶になるだろうとの結論に達したようです。
蒸すのは電子レンジでもOKとのことだったので、気軽に取り組み始めたの夫ですが、乾煎りしてもなかなかパリッと乾かず、根気がいる大変な作業になりました。夫がお茶を乾煎りしている間に、私は昼寝をしたのですが、1時間ほど眠って起きた時にも夫は眠る前と同じ姿勢で乾煎りを続けていたのです。
夫の苦労の結果、市販の茶葉よりはかなり大きめでしたが、ちゃんとお茶らしきものが出来上がりました。普通の茶葉よりかなり大きいので、急須にどれくらい入れたら良いのかわかりにくいのですが(今朝淹れたのは少し薄かったような気がします)、慣れればちゃんとお茶として飲めると思います。
夫は自分でもお茶ができるのか、どうしても確かめたかったと言っていますが、60歳になっても好奇心旺盛なのは素晴らしいことです。日本茶の茶葉を買うのには結構な費用がかかりますが、家で作れればかなり節約できますから、夫がこれからも茶葉を作るとしても歓迎します。それに家で作れば無農薬ですから、安心して飲めるお茶になりそうです。
来年も頑張って
夫は苦味がどうとかも言っていましたが、それはお茶摘みをする時期が遅かったのではないかと思います。今年は4月の下旬に急に暑いくらいの天候になり、近所のお茶農家は例年よりもかなり早めにお茶摘みをしていました。無防備に日光に当たったお茶は苦味が強くなるそうですから、来年は周りの農家の動向をよく見てお茶を摘めば良いのでしょう。
なんて、もうすっかり来年もお茶を作るような口ぶりですが、どうなるでしょうか?毎年これをやるとなるとやはり仕事になってしまいます。たまに作るから面白い、ということはあると思いますので、来年も茶葉を作るかどうかは私もいささか疑問を感じているのです。
以前、やはり長時間キッチンを使って夫が梅酒を作ったことがありましたが(その日は夕食が作れず、お寿司を買いました)、誰も手をつけずに困ったことがありました(夫は酒は好きですが、梅酒のような甘いものはほとんど口にしないです)。日本茶なら家族全員が飲みますから、私も心から夫の好奇心の結果を歓迎できるというわけです。
今年はコロナ以前のように観光地に人が戻ってきたという話をよく聞きますが、夫のように普段とは違うことをして、自分の好奇心を満たすのもなかなか良い休暇の過ごし方だと思いました。
夫を見ていると、人間には自分で何かを生み出したいという欲求があるように思えます。その欲求を私も大切にしながら、毎日の食事づくりに生かしていきたいと思っていはいるのですが…