渡辺徹さんが亡くなりました。私と同年代でいつも明るいキャラクターのせいで、亡くなるなどと考えたことはありませんでしたが、亡くなって初めて渡辺さんは病とともに生きてきたことを思い出しました。
元気で愉快な渡辺徹さんの価値がわかった
有名なのは糖尿病ではないでしょうか。報道では30代のときに発病して現在は週に数回の人工透析を受けるまでになっていたとか。もしそれが本当なら、糖尿病としてはかなり重篤です。他にも病はあったようですが、テレビの中の渡辺さんは明るい上にパワフルで、元気そのものといった印象でした。だから、亡くなったときも突然のことのような印象を受けたのだと思います。
何となく私たちは芸能人はいいな～、と思いがちです。テレビに出てくる芸能人を、いつも元気で生き生きとしていて若々しいから羨ましい、と思っていないでしょうか。少なくとも私は思っていました。ついでに『やっぱりお金があると、美も健康も思いのままなんだな…』とまで思っていたのです。でも、今回の渡辺さんの死を受けて、いろいろと考えてしまいました。
テレビの画面に出てくるのはほんの一瞬で、あとは芸能人とてどんな生活をしているかはわかりません。渡辺さんの元気な様子も、彼のプロ意識に支えられたもので、カメラの前から退いたときには私たちと変わらない、年相応のそれも病を持った人の姿であったのかもしれません。
そう考えると渡辺さんの元気な姿、愉快な話などがとても価値のあるものだと感じられます。苦しい思いをしていてもなお、周りの人々を楽しい気持ちにできた渡辺さんに本当にお疲れさまでしたと伝えたいと思います。彼は彼の仕事を全力で全うしたのでしょう。
素晴らしい人生だったと思う
私もこれからもっと年齢を重ねます。どんな病気になるか、ケガをして動けなくなるかわかりませんが、そうなったとき周りの人を少しでも明るい気持ちにできたらどんなに良いでしょう。それは周りの人も自分も幸せにできることだと思います。
ただ、残されたご家族の気持ちを考えると胸が痛みます。特に妻で歌手・タレントの榊原郁恵さんはかつては渡辺さんのために食事療法に力を入れていたということを聞いています。しかし、なかなか渡辺さんは榊原さんの思うようには食事療法に取り組んでくれなかったようです。
今残されたご家族が結局、助けることができなかったなどと後悔しているとしたら、本当に気の毒です。全力で生き抜き、最期まで真摯に仕事と向き合っていた渡辺さんの人生は素晴らしいものだったと私は思います。その素晴らしい人生はきっとご家族なしにはあり得なかったでしょう。
普通は同年代の方が亡くなるとショックなものですが、今回は私もかくありたいと思ったのでした。
よろしくお願いします。
