東京五輪・パラリンピック組織委員会の会長である、森喜朗さんの発言が問題になって、もう数日経ちましたが、一向に事態は収まらないですね。
確かに不愉快なことではあるけど
女性の話は長い、というのはご自分がどこかでそんな思いをしたことがあったのかもしれません。しかし、それを公の場で報告することはなかったと思うし、仮にも組織の長の立場にいる人がすることではないと思いました。
グチは自宅で言えば良かったのです。私も女性の1人として、そんなことを言われたら反発したくなりますが、現在はさまざまな立場の人が、自分は決して女性蔑視をしていないよ、と証明するために次々と森さんの発言を否定しているように思えてなりません。
本当は正しいか正しくないと、など考えてもいない人たちが、この発言を否定しないと、自分が否定される側に回ってしまう、と焦っているようです。
森さんだけに多くの時間をかけられないはず
海外では先進国の1つである日本でこんな発言をする人がいるのが、信じられないという思いがあるのでしょう。だから、海外の人たちも多くこの問題を批判しているのだと思います。
しかし、森さんの年齢を考え、五輪・パラリンピックができるのかできないのか瀬戸際の状況であることを考えると、この問題にそう多くの時間をかけることは得策ではないのでは、と私は思ってしまいます。
多分森さんはもう考えが変わることはないでしょうから、森さんの発言にこだわるよりは、これからの日本の社会に役立つことを考えた方がよいでしょう。例えば、ジェンダーに対する教育をもっと充実させるようにするとか。
多分、日本と海外ではジェンダーについての教育が違うのです。今、日本はやっとジェンダーで人をくくるような考え方（男だから、女だからという決めつけはしない方が良いですね）は、おかしいと言えるようになったばかりです。
そもそもそれが決めつけだとは思っていない人も多いはずです。昔ながらの考え方は随分と私たちに影響しています。決めつけから完全に離れるのは、もっとずっと先のことになるはずです。まだ、ジェンダー問題について日本はひよっこなのです。海外の常識だけで語ることはできないと思います。
もう一度考え直した方が…
この問題はこれからの日本に大切なことではありますが、これだけに多くの政治家がかかりきりになるのもどうなのかと思います。
森さんの発言を受けて、海外からの反発だけでなく、オリンピックのボランティアも辞退する人が後を絶たないといいます。しかし、それ以前に本当にオリンピック・パラリンピックは開催できるのでしょうか。
最初は東日本大震災からの復興五輪という名目でしたが、巨額の費用がかかるオリンピックで本当に東北の人たちが救われるのかが私にとっては疑問でした（オリンピックにかかる費用を生活再建に宛てた方が良いと思いました）。そして現在はコロナの流行があります。多くの人を海外から招けば、どうしても感染は増えるのではないでしょうか。
森さんの発言で多くの人がオリンピック・パラリンピックについて立ち止まる機会を得たなら、いっそのこと開催自体を考え直した方が良いのではないかと思います。
そうすると、森さんの発言は無駄ではなかったということになりますね。何が幸いするか、禍となるかはまったくわからないものです。
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