子育て中に子どもにいってはいけない言葉があります。「あんたなんか生まなきゃよかった」という内容の言葉をいってはいけないそうです。それはよく話題になるし、聞けば当然だな、と誰でも思います。でも、逆はどうでしょうか。
次女からの言葉に傷ついたわけ
「私のことなんか、生まなければよかったのに」次女がよく私にこういいます。引きこもりの期間がドンドン長くなっているために、最近の次女にはストレスが多いようです。
いい方はそれほど深刻ではなく、ごく軽くいいます。笑っているときもあります。最初は私もそれほど気にしていませんでした。でも、何回かいわれて実はジワジワと自分を傷つける言葉であることがわかってきました。次女が笑っていっているので、私も笑っているのですが、何だか泣きたいような、笑いながら涙が出そうな気がします。
次女の言葉は自分を否定するためにいっているわけですが、私の人生も一緒に否定しているのです。結婚して子どもを生んだ私のことや夫のことを否定していると、私には受け取れます。
そして、私は子どもを悪くいわれるのが嫌です。自分の子どもは完璧ではありませんが、悪くいわれたくありません。自分のことをいわれるのは我慢ができても、子どものことをいわれると、我慢ができないことがあります。
それがたとえ子ども本人の言葉だったとしても、私は傷ついてしまいます。この思いがけなく自分が傷ついている事実で初めて、私は子どもにいってはいけない言葉の意味を知ったような気がします。
大人からは、いってはいけない理由
今まではいけないといわれているから、いわないようにしようと思っているだけでした。子どもに存在を否定するような言葉を投げかけると、どうなるのかを深く考えていませんでした。
子どもを生むときには自分の意思というものがあります。世の中にはいろいろと事情がある人がいるでしょうが、子どもを生んだ人はそれを選んだわけです。だから生まなきゃよかったのに、という言葉を投げられても仕方のないことではあります。
でも、子どもは自分の意思でこの世に誕生したのではありません。大体の人が気が付いたらこの世に存在していたことでしょう。自分の意思では生まれない選択をすることはできません。自分ではどうにもできないのですから、そこに大人が生まなきゃよかったというのは、フェアではないと私は思うようになりました。
傷つく前に、言葉について考えて!
こんな当然のことがやっとつい先日わかるようになりました。だから、子どもが小さいうちには、わからない人がいても不思議ではありません。いろいろと思い通りにならないことが重なって、心の余裕がなくなると、余計に子どもとの関係はわからなくなってしまいます。すると、傷つける言葉をいってしまうこともあるかもしれません。
新型コロナウイルスのために、子どもが休校になっているたくさんの家庭の中では、大変なことも多いでしょう。イライラすることも増えるとは思いますが、いわれると傷つく言葉について考えてみてください。自分が傷つく前にわかっていれば、親子の関係はもっとよくなるかもしれませんよ。