先日、夫と一緒に地元のデパートに出かけました。
いろいろと変わってしまった点はありましたが、そのデパートには、私が行ける範囲の中で最も大きい書店が入っています。誕生日ということもあって、私は久しぶりに本(雑誌は除く)を買おうと思ったのです。
文庫本1冊の値段に夫が
実は私がかつて好きでよく読んでいた女性作家が、今年生誕120年を迎えます。それにあたって、かつて出版されたエッセイ集が新たに発売されると新聞広告で見かけました。ちょうど読んだことがないものだったし、活字も大きくなっているしで欲しいな~と思っていたのです。
近隣で一番大きい書店だけにお目当ての本はすぐに見つかり、早速レジへ向かいました。厚さ1cmほどの文庫本で値段は780円です。値段を聞いた夫が何だか変な顔をしていましたが、とりあえず支払いをして、歩き出しました。
レジから離れると夫は待っていたように大声でこんなことを言いだしたのです。
780円!780円だって!単行本ならわかるけど文庫本だよ。こんなに薄い文庫本が780円ってどういうことだよ。俺は聞き間違いかと思った。
夫は一体いつ頃の話をしているのか?私は不審に思うほどでした。しかも、店内で大声で言うので、恥ずかしかったです。
780円で単行本が買えたのはかなり昔の話だと思います。夫はかつて雑誌や本をスーパーに配達する仕事をしていました。そのときの値段は今もはっきりと覚えているそうです。
夫がその仕事をしていたのは、もう20年以上前のことですが、本人はそれほどの時間が経っている実感がないのでしょう。だから、いきなりひどい値上げをしているような気がしたのかもしれません。
しかし、この1~2年で何もかもが値上げをしました。夫だって何度も憤っており、それを聞かされる私は閉口しています。なのになぜ、本の類だけは知らなかったような顔をするのでしょうか。
本は昨日今日で高くなったわけではない
大体、本の類が高くなったな~と私が思ったのはもう、10年以上前のことです。その頃はせっせと図書館に通っていましたが、夫が平日休み、しかも不定休のため、数回一緒に図書館に行くことになってしまいました(夫は買い物に行きたかったようです)。
そのときに「図書館に行くのに時間もガソリン代もかかるんだよ。読みたい本があったら、買ったほうがいいんじゃない?」と言われたのです。2週間に1度図書館に通うのは、バカバカしいということまで言われて、何だか行く気をなくしてしまいました。
普通なら図書館に行った方が絶対に得でしょう。ですが、我が家から図書館までは車を使って片道30分ほどかかります。確かにガソリン代はかかるのです。しかも我が家がある市では、図書館はかなり昔の建物で、駐車場も決して広くありません。
年末年始などは車が駐車場に入れず、かなり待たされたりもします。私は夫の言うことにも、一理あると思いましたが、今考えると夫は本の値段のことなどまったく考えていなかったに違いありません。
エッセイはちびちび楽しむことにする
結局、夫にとっては私が読む本のことなど、他人事です。あるとき突然に高いとか安いとか気になったというだけのことでしょう。夫の言うことはあまり真に受けないようにしようと思わされた誕生日の出来事でした。
今回私が買ったエッセイ集は、短い(2ページ半くらい)のエッセイがたくさん入っていますが、一度にたくさん読まずに毎日ちびちびと楽しむようにしています。夫に高いと言われたので、なるべく長い期間楽しもうという魂胆です。
夫への当てつけのつもりもありますが、多分夫は気が付かないでしょう。
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