新型コロナウイルスのせいで不要不急の外出は控えるようにいわれています。普段なら何気なく出かけていたことに、ためらいを感じるようになりました。その1つが髪の毛を切りに行くことです。
カットに行けなくなった理由
普段私は2カ月に1度髪の毛をカットしています。今回は4月4日頃にカットをしようと思っていましたが、緊急事態宣言が出てしまい、どうしようかと迷っているうちに夫や私が体調を崩してしまいました。
我が家は次女を除く全員で同じ理髪店に髪の毛をカットしてもらっています。もう20年以上お世話になっていますが、そこの娘さんが長女の同級生ということもあり、とても親身にしてもらっています。もちろん、仕上がりにも満足しているから長年通っています。
だから、余計に気を遣ってしまい、今までのように気軽に予約の電話をかけられなくなってしまいました。
月1のカットが必須条件だった実家
実は私は物心ついてから55歳の現在まで、2カ月以上カットをしないという状態は初めての体験です。
私の実家はそれほど裕福ではありませんでしたが、母は私に「お前の髪の毛は質が悪いから、カットはまめにするように」といって、月に1度は美容室に行かされました。父が病気のために働けなくなって、経済事情がさらに悪くなってからも、月に1度のカットは私にとって必須条件だったのです。
私の髪の毛は固くて太くて、しかも半分は直毛、半分はくせ毛でした。放っておくと、すぐにボウボウの手入れの悪い髪の毛に見えました。母の口癖は「キチンとしなさい」だったので、まずは外見からキチンとして欲しかったのかもしれません。
カットできなくて気づいたこと
しかし、今は自分のことだけを考えるわけにはいきません。自分が新型コロナウイルスに感染しないのはもちろん、人に感染させないことも考えるとやはり自由に身動きが取れません。結果、私の髪の毛はもうモサモサです。
2カ月に1度のカットのときにカラーもしてもらっていたので、今は白髪も目立ち始めています。私は久しぶりに本来の自分を見たような気がしています。顔はもともとメイクをしていないので、本来の自分を見ていましたが、髪の毛は少し白髪が目立つと、すぐにカラーリングをしていました。年齢的な変化には目を閉じていたといってもよいでしょう。実はこんなに白髪があったんだな~と、自分も年を取ったと再確認をせざるを得ませんでした。
本来の自分の姿も受け入れたい
今回、咳ぜんそくにもなって少し落ち込みましたが、年を取ったのだから弱くなっても当たり前、もう少し自分に対して思いやりを持ちたいと考えるようになりました。考えてみると、あれだけ太くて固かった髪の毛はすっかり柔らかくなりました。後もう少しだけ、自分本来の髪の毛と付き合っていきたいと思っています。
本当に身だしなみを大切にする人なら、自分でカットやカラーリングをするという方法も選択肢になるでしょう。実際に自分でカットをする人のための動画もあるそうです。カラーリングはハードルが高くても、白髪を目立たなくするトリートメントなども販売されています。でも、私はあえて何もしていません。
いくら柔らかくなったといっても、私の髪の毛はモサモサで扱いにくいことには変わりありません。早くさっぱりさせたいという気持ちはあります。でも、何のために、誰のために身だしなみを気にするのかを考えて、本当に自分に必要な身だしなみだけを残していきたいと思っています。
自分の本来の姿を認めることで、自分が年を取ったという事実も受け入れられるようになれば、よい年のとり方ができるかな~、などと考えています。