草むしりが終わりません。人間の手では限界があります。あまりにもひと目につくところだと他人にどう思われるかが不安になります。中には、雑草を生えたままにしていると種が飛んでくる、と文句を言う人がいるそうです。
私が実際に文句を言われたわけではありませんが、そんな話を聞くと(実家の母からも夫からも聞いた)不安になるのです。
雑草も落ち葉も許せない!
子どもたちがまだ小さかった頃、夏のお盆休みに二泊三日で家族旅行に出かけました。帰ってくると自宅の周りに生えていた雑草がすべて枯れていてびっくりした記憶があります。一瞬、誰かの嫌がらせかと思いましたが、当時同じ敷地内に住んでいた夫の祖母がしたことでした。決して嫌がらせではなく、子どもが小さくて草むしりも大変だろう、という配慮で除草剤を撒いてくれたのです(多分本当にそうだと思う)。
でも、私の夫はそう思わなかったようです。
嫌味なことをするんじゃないよ!勝手に除草剤を撒くなんて、こっちがどんな思いをするか考えろ!
こう文句を言いに行き、大げんかになってしまいました。小さな子どもがいるところで、除草剤を撒くなんて夫には考えられないことだったのです(夫は殺虫剤や漂白剤も本気で使わない方が良いと思っているようで、私は掃除をするのも大変です)。
庭があれば春から夏には雑草が生え、冬になれば木の葉が落ちるのは自然現象で何の不思議もありません。でも、それをそのまま放っておくと、いろいろと人間どうしでトラブルが起きます。雑草の種が飛んでくる、木の葉が落ちて掃除が大変だと文句を言う人もいれば、自然現象だから仕方がない、うるさく言わないで欲しいという人もいます。
ウイルスに感染するなんて許せない?
今、コロナ騒ぎの中で同じことが起こっている気がして仕方がありません。人間が生きていれば、たまにはウイルスに感染します。私たちはいろいろなウイルスに感染して、免疫を獲得しながら成長してきました。私自身、おたふく風邪、水疱瘡だけでなく何度もカゼを引き、インフルエンザにもかかりました。だからウイルスに感染するのは自然現象だともいえるでしょう。
本当ならどんなウイルスにも絶対に感染しないのは不可能だと、みんながわかっているはずです。それなのに、今はその不可能を可能だと言い張る人がたくさんいます。感染の可能性は引き下げることはできるでしょうが、0にはならないはずです。どんなことにも絶対はあり得ないことを私たちはすでに知っています。
今自粛警察と言われる人たちは、私の目には雑草の種が飛んでくるから、草をむしれ、と命令する人と同じように見えます。私はそんな人たちに尋ねたいです。
あなたの庭に生えた雑草は本当に誰かの家から飛んできた種で生えたのでしょうか? 本当は、あなたの家の雑草から種が飛んでいるのかもしれませんよ。それに絶対に雑草を生やさないことは不可能です。
緩やかな考えが自粛生活を癒やすはず
新型コロナウイルスに感染すると、命に関わる人がいるのは事実ですから、なるべくなら私は感染源になりたくないです。でも、うがい手洗いをして、規則正しい生活をしていてもかかる人はかかってしまうようです。だから私は不安になります。感染源になったらどうしよう、いろいろと非難されるかな、と考えてしまうのです。
少しみんなの考え方が緩やかになると、コロナ騒ぎの中でも落ち着いて暮らせるようになるのではないでしょうか。
絶対にコロナに感染しないという、無理難題を突きつけられることが自粛疲れの大きな原因になっているのではないでしょうか。みんなが緩やかになって、生きているんだから感染することもあるよね、と認められれば、 自粛疲れを訴える人も減るのではないかと思います。