こんなブログ記事を読みました。多分読んだ人の多くが共感するのではないでしょうか。
ブログを書いているみずなさんは71歳。娘と孫が遠方から泊りがけで帰省するため、精一杯もてなしをしようとしますが、年齢による疲れからか、段々としんどく思えるようになってしまったということです。
つい、愚痴をこぼして「もう、来年からは無理」という内容の言葉を発したところ、娘さんはそれならもういいと大学生の息子さんを連れて帰ってしまったというのです。
私にも覚えが…
お正月帰ってくる子どもたちを迎える親は大変です。私も30年間の結婚生活で、家族のおせち料理を用意するだけでもとても大変でしたから、その上、泊りがけで帰省する娘さんとお孫さんのお世話までしなくてはならないみずなさんはどんなに大変だったか想像がつきます。
しかし、私は怒って帰ってしまった娘さんにも共感しました。私の実家の母は毎年、お正月に私たち家族が実家を訪れるのが負担でたまらないとよく言っていました。
私の住まいと実家は同じ市内で、泊りがけで帰ることはまったくありませんでした。わずか1日のことでそれでも負担だと言われると、私もどうしたら良いのかと困惑したものです。食べるものは私たちが買って持っていくからとは言いましたが、母は家に来てもらうのに何もしないわけにはいかないと言うのです。
そのうちこんなことまで言うので、本当に困りました。
ゆみこねこは娘だから気を使わないけど、夫さんは他人だから気を使うのよ。これからはなるべく、ゆみこねこが一人で来てくれないかしら。
毎年、お正月には家族揃って実家を訪れていたのに、今更私だけで帰ると言えば、夫はどんなふうに思うだろうと考えると、私は母の言葉にうなずくことはできませんでした。
同じ市内なのに実家から足が遠のく
結果としては母が気を使って疲れてしまうからということで、私たち家族全員の足が実家から遠のくことになりました。母からは解決策を見つけようという気持ちは見られませんでしたし、私も実家に行くときはお寿司などを買っていく、訪問する回数を減らすくらいしか方法は考えつきませんでした。
それは母が病気になるまで続きました。病気になってしまえば、四の五の言っている暇はありませんでしたが、それまで母はずいぶん寂しい思いをしたようです。
母の病気が明らかになって、私が一人で毎日のように実家に行くようになりました。すると母は知り合いに「近頃毎日ゆみこねこが帰ってきてくれるの~。助かるわ」と電話をして回っていたそうです。
仲良くした方がいいに決まっている
結局母は2015年に亡くなりました。今考えると、もっとお互いの妥協点を探ることはできなかったのかと思います。親子と言えども、違う人格を持った別の人間であることには変わりはありません。話をしないでは解決策を探るどころか、妥協点を探ることもできないのではないでしょうか。
親にとって子どもはいつまでも守るべき対象ですが、子どもにとっても親はいつまでも頼れる存在です。いつの間にか力関係が逆転していても、それを認められないのが親子関係ですが、いつかは認めないと先へ進むことはできないと思います。
親子だから言わなくてもわかる、こんなことは思わない方が良いです。逆に親子だからこそ、話をしなくてはならないことがあるはずです。
親子なら誰でも仲良くできるとは限りませんが、できれば穏やかな関係でいたいものです。今でも母のことを思い出すとどうすれば良かったのかな、と考えてしまいます。