夫の弟が同じ市内に転居してから2週間近くが経ちました。
どうしているかと思っていたら、昨日珍しく弟から夫の携帯に電話がありました。
介護保険を申請したいと言われても…
話している夫の顔は何とも言えない表情で、対応に苦慮しているのが手に取るようにわかりました。弟の話はすべて文句で、夫に話しても仕方のないことばかりだったのです。
弟は脳梗塞の後遺症で歩くのが大変だから、介護保険を認定してもらって、生活支援を受けたいと言います。しかし、昨年リハビリ専門の病院を退院したときですら、弟が使える生活支援は何もないということで、わざわざ弟の部屋まで来てくれた担当者はそのまま帰って行ったのです。
歩くのが大変と言っても、弟はほとんど杖も使わずに歩くことができます。生活に不便はないわけです。ただ、引っ越しをして以前住んでいた場所に比べると買い物に行くのが不便なため、誰かに買い物をしてきて欲しいと言っているのです。
弟は、もし脳梗塞の後遺症で介護保険が使えないなら、持病の糖尿病で申請することはできないかとも言っていたそうです。私も夫もそういう方面に詳しいわけではありませんが、いくら何でもそれは通用しないだろうと感じてしまいました。
しかし、それを言うとまた弟が怒り出すと夫は考えたのでしょう。夫が弟に言ったのは「俺はそういうことはわからないから、病院に問い合わせて欲しい」ということだけでした。その繰り返しで、弟は話を聞いてもらっていると思えなくなったのでしょうか。今度は「部屋が傾いている気がする」、「勝手にドアが閉まるから、傾いているに違いない」と言い出しました。
確かに弟が引っ越しをした場所は昔の公団住宅、今のUR賃貸住宅ですから、だいぶ古い建物ですが、傾いているとしたら、大問題になるでしょう。そんな部屋は賃貸物件として成立しないでしょう。それも夫は黙って聞いていたようでした。
ずっと夫は我慢できるか不安
「俺はもう本当のことは絶対に言わない」と夫は言っていました。以前に「もう首をつって死ぬ」と弟に言われたことがよほど嫌だったのでしょう。
だからと言って、これからずっと夫は弟の言うことを黙って聞くつもりなのでしょうか。
弟が自分でこんな話は通用しなかったな、と悟ることもあるかもしれません。でも、弟はきっとまた別のことを言い出すでしょう。夫が「俺はこんな話は聞けないよ。自分で道理が通る話かどうかよく考えてくれ」とでも言わない限り、夫はずっと弟の自分にだけ都合の良い話を聞かされると思います。
私は以前統合失調症の同級生の話を一方的に聞かされました。やはり途中で我慢ができなくなりました。
私は我慢できなかった
それは赤の他人のことだったからかもしれません。しかし、私は我慢をしすぎると自分がおかしくなるのではないかと危険を感じました。
数カ月連絡を経ち、気持ちが落ち着いてきた頃、再びその同級生から連絡がありましたが、私はどうしても会話をする気になれず、着信拒否をしてしまったのです。もう、同級生からの連絡が怖くて仕方がない状態になっていました。
会話にならない、一方通行でただ言葉を受け取るだけの関係はたとえ肉親であっても我慢できるものではありません。決定的に関係が壊れてしまうかもしれません。そうなる前に少しでも自分の気持ちを相手に投げかけるのはそんなに悪いことでしょうか。それを一切はねつける弟は一体兄である夫のことをどう考えているのか、私は少々訝しく思っているのです。
夫は弟のことを1人で抱え込まない方が良いと思いますが、夫自身が誰にも弟のことを相談したくないと言っているため、私にはどうにもしようがありません。両親を早く亡くし、祖母と生きていた夫はさんざん周りに迷惑をかけたとよく言っています。
もう、これ以上弟のことで迷惑をかけたくないそうです。しかし、弟に付き合うあまり、夫がダウンしてしまったら誰が困るのかと言えば、それは私です。今から私は不安なのですが、夫はそこをどう考えているのでしょうか。夫は最近口を開けば「疲れた」、「かったるい」としか言わないし、夜もよく眠れていないようです。体重も5kg減ってしまいました。
夫と弟を見ていると私もとても不安になります。唯一の救いは今月中に弟がメンタルクリニックを受診することです。よく話を聞いてもらって、自分の今の状態がわかると良いと思います。50代で無職の弟、生活を再建できるのはまだ先のことのようです。