オレオレ詐欺が一向になくなりません。毎晩見ているニュース番組の中でも、詐欺に騙されないようにという内容のコーナーを何年もやっていますが、効果はそれほどないのでしょう。こう詐欺が多発している、と言われると、自宅にかかってくる電話がすべて詐欺のような気がして困ります。
埼玉県在住なのに警視庁から電話
数年前、我が家に警視庁碑文谷警察署の署員を名乗る男性から電話がかかってきたことがあります。まだ、次女が高校生だった頃です(今から10年ほど前)。電話で伝えられたのは、我が家の土地を貸している方がある事件に関わっている可能性(その事件(詐欺だったそうです…)が碑文谷警察署管内で起こったそうです)があるため、土地への立ち入りを許可して欲しいという内容でした。
そのとき、これが本当ならまずは夫に知らせるべきだと思い、相手に伝えると相手も「それはごもっともです。今からご主人に連絡をしていただいて、終わった頃を見計らってもう一度ご連絡をします」と言います。
金品などを要求されたわけではありませんが、警察、それも私たちが住んでいる埼玉県の警察ではなく、東京の警視庁からの電話があったことで、私の疑いの気持ちが大きく膨らみました。これは詐欺の始まりではないか、このまま話を聞いていると、どこかで金品を要求されるのではないかと思ったのです。
しかし、反面これが本当の話なのに、一切取り合わない場合、捜査に支障を来す場合があるかもしれません。すぐに夫に連絡をしましたが、夫も警視庁からの電話に驚き、やはり怪しいと言います。一応伝えられた電話番号を検索すると警視庁碑文谷警察署のものに間違いはありませんでした。
疑いながらも会ってみることに
ただ、警察署の電話番号などいくらでも調べることができます。電話番号が間違いないから、本物の警察官だとは限りません。警察署にこちらから電話をして、該当の警察官は実在するかどうか確かめることも考えましたが、実在する警察官であったとしても、今度はその警察官の名前を騙っているのかも…と考えてしまい、キリがなさそうなので辞めました。
夫も「俺、今から帰るから実際にその警察官に会ってみよう」と言います。私は再度連絡をしてくれた警察官に「主人と一緒にお待ちしています」と伝えたのです。
実際に我が家にやって来たのは私服の二人連れで、農作業をするときのような服と乗っていたきれいなセダンがミスマッチだなと感じました。この服装は地域に溶け込むためのものですと説明を受け、ちょっとおもしろいなと思ました。
東京の警察官にとっては、農作業をする人がたくさんいるのが、この地域の印象なのだと思うと、とても興味深かったです。
もちろん、警察手帳も提示されました。よく刑事ドラマで見るあれです。『本物だ~』とワクワクしながら見ていましたが、後から夫が「あんなもの、いくらでも偽物があるだろう」と言っていました。私としては、ぱっと見るだけですから本物とも偽物とも、判断はつかないかもしれないと思いました。
結局詐欺ではなかったようで…
結局我が家の土地を借りている方は、詐欺事件の犯人と顔見知りではあったが、犯行に加わったわけではなく、事件とは無関係なことが判明。後から夫に「誤解されるような付き合いがあって、ご迷惑をかけたことはお詫びします」と謝罪がありました。
その方はあれからずっと変わらずに、我が家の土地を借りています。結局警察からの電話は詐欺ではなかったということで、本当に良かったです。これで詐欺だったら、夫に一生文句を言われ続けるところでした。
ちなみに長女も次女も私と夫の「警視庁から刑事が来たんだよ~!警察手帳も見ちゃった」という話に興味津々。次女などは「いいな~、私も警察手帳見たかった」と言っていました。そう言えば、警察からの電話も我が家の固定電話にあったのです。それで余計に詐欺のように感じたのかもしれませんね。