昨夜テレビを見ていたら、「仰げば尊し」は卒業式で歌われることがほとんどなくなったと言っていました。確かに娘が2人いる私も、この曲を卒業式で聞いた記憶がありません。この曲を聞いたのは次女の幼稚園の謝恩会が最初で最後でした。
謝恩会に合唱しようと提案したけど
次女が通ったのは私立の幼稚園でしたが、謝恩会はお母さんのかくし芸大会のようになっており、謝恩会って何のためにするんだっけ？と思わないではありませんでした。
一応、出し物の内容については、アンケートを取られました。私は謝恩会の意義について深く考えたわけではありませんでしたが、卒業式っぽいしんみりした曲を合唱すると良いのではないかと思い、その通りにアンケートに記入・提出をしたのです（当時ミニモニが流行っていて、それを歌って踊ろうという声があったのですが、年齢的にもちょっと嫌だったのです）。
謝恩会はPTA役員の1つである卒業対策委員会が担当します。この委員会は主にクラス単位での謝恩会の出し物の内容の決定から、練習の段取りなどをして、謝恩会当日に無事に皆の前で披露させるのが役割でした。
アンケートを提出した後、わざわざ役員をやっている方から電話があり、「あなたの意向には添えません、どうしてもミニモニをやります」と言われました。アンケートをわざわざ取るからには自分の意見を言っても良いだろうと思って書きましたが、私は余計なことをしてしまったようでした。
謝恩会当日、先生たちが…
無事に準備は進み、謝恩会当日となりました（決まったからには私もちゃんと協力しました）。各クラスの出し物が終わったところで、先生たちがおもむろに立ち上がってこう言ったのです。
卒園するみんなに先生たちからお歌のプレゼントがあります。卒園するときに歌うお歌なので、よく聞いてくださいね。
そうして先生たちが歌ったのが「仰げば尊し」だったのです。周りの人はどう思ったかわかりませんが、私はガツンとやられたような気になりました。通常、この曲は卒業する生徒たちが歌うもので、先生たちが自ら歌うことはないでしょう。それをあえて歌ったということは、何か私たちに対する怒りのようなものがあったのだ、と思えてしまいました。
先生たちはお母さんたちが（当時、お父さんの姿はありませんでした）謝恩会で騒ぐだけ騒いで、先生方に感謝の気持ちを伝えないことを苦々しく思っていたのではないでしょうか。お母さんたちが感謝の気持ちを表さなければ、子どももただ騒いでその日を終えてしまいます。
先生たちは謝恩会の意味を考えて欲しいと思っていたのでしょう。
今でも「仰げば尊し」がほろ苦い
その翌年からしばらくの間、謝恩会での保護者による出し物は禁止になっていたそうです。夫に話したら、「いくらなんでも、自分で歌っちゃうのはやり過ぎだよ。気持ちはわからないでもないけど」と言っていました。
確かにそうかもしれませんが、歌わせてしまったのは私たち保護者なのだな…と思うと、今でもほろ苦い気持ちになります。昨夜のテレビ番組で久しぶりにそれを思い出しました。
よろしくお願いします。
