先日、玄関のチャイムが鳴ったので出てみると自治会の班長さんが市の広報紙を持って、立っていました。普段はポストに入れてくれているので、珍しいなと思っていると、「婦人茶話会」の存続についてご意見を伺いたいことがあると言います。
我が家が住んでいる地域では毎年2月の中旬ごろに婦人茶話会というものが開かれるのですが、近年はコロナのために中止になっていました。かつて婦人茶話会は、農閑期の女性の気晴らしの場として大切にされており「おしら講」とも呼ばれていました。
婦人茶話会についてどう思うかと聞かれた
かつては近隣の地域でも婦人茶話会は広く行われていましたが、近年は生活の変化のために廃止されています。我が家が住んでいる地域でもこの機会に廃止してはどうかという意見が出ていると言います。
最初、私は意見を求められても、言わない方が良いのではないかと思いました。波風を立ててもいけないし…私自身はずっと婦人茶話会に出席しており、それには意義もあったと思います。我が家は夫の母が早くに他界しているため、どうしても年齢が上の方とお付き合いをしなくてはいけなかったからです。しかし、本当に自分が楽しくて出席していたのとは違い、ないならその方が楽で良いと思っています。
婦人茶話会は飲食を伴うため、毎年当番が食事や飲み物、お土産に至るまでを調達しなくてはいけません。子どもたちがすでに巣立って、仕事もしていない女性には良い気分転換になることでも、まだ若く普段は仕事をしていて子どもが幼い女性にとっては負担になってしまうでしょう(私は若くないし、仕事もしていなかったけど負担でした)。
すでに数年前、新しい住宅に引っ越してきた人(つまり地元の家の嫁ではない)から、当番などできないから婦人茶話会を廃止して欲しいという苦情が出たそうです。
1回廃止論がお流れになったことも…
そのような意見はコロナ禍に入る前から出ていて、自治会長と副自治会長がこれからも婦人茶話会を存続すべきかどうか、ご意見を伺いたいと婦人茶話会の席にやって来たことがありました。
しかし、彼らは油断していたのでしょう。そんな会は今やあってもなくてもどちらでも良いと、皆が思っていると踏んでいたのだと思います。話は簡単に決着すると考えていたのでしょうが、婦人茶話会をとても楽しみにしている女性に思い切りやり込められ、早々に退散してしまったのです。
婦人茶話会を楽しみにしているという女性(年齢は多分70代)は大声で言いました。
みんなが楽しみにしている場を奪わないで!当番がやりたくない人たちには無理して出席してもらわなくても良いわよ。やりたい人だけで、続けていくから!
大の大人が声を荒らげてこんなことを言えば、それでもその場で婦人茶話会を廃止にしよう、などと思っていても口に出す人はいません。大体婦人茶話会を廃止にしろと言うような人は出席していませんから、婦人茶話会を廃止にするかどうかを茶話会の最中に聞きに来るというのがどうかしているのです。
これを踏まえると…
この結果を踏まえると、自治会は自分たちが婦人茶話会を廃止にしたとは思われたくないことがわかります。自治会員のみんなの意見を聞いた結果、平和的に廃止になったということにしたいのです。でなければ、女性に大声でやり込められたくらいですぐに退散はしないと思います。
私が波風を立てないために意見を言わなかったら(そんな人が大半だと思う)、また婦人茶話会が続くかもしれません。しかしそれでは、きっと私は後悔すると思い、ついに「これが潮時だと思います。もう、婦人茶話会は廃止にしても良いのではないでしょうか」と言い、ついでに先程の廃止論がお流れになったときのことも話しました。先の女性も、自治会で廃止が決まったら諦めるのではないかと思います。
班長さんが「ゆみこねこさんが、こんなことを言ったよ」などと他では言わないと思いますが、何だか落ち着かない気持ちです。波風が立ったらどうしましょう…夫も少々不安気ですが、しかし苦情が出るような行事を無理してやっても仕方がないのは本当だ、とも言ってくれています。
まあ、言ってしまったものはもう、仕方がないです。ちょっとスッキリしたので、良かったのだと思うことにします。