夫婦の形はいろいろでよい！と思う

私の夫が3回転職していることを聞いただけで、気の毒そうな顔をする人がいますが、知人の中には、もっとツワモノがいます。その人の夫は5～6回転職をしています。回数がハッキリとしないのは、その夫の仕事がIT関連で、合併などで会社名が変わることも度々だからです。

この家庭についてどう思いますか？

知人は、家庭の中で主として働いているのは夫だから、気持ちよく仕事をするためであれば、転職は反対しないということでした。それよりも文句があったのは、夕食についてでした。夫は仕事のために帰宅時間が不規則で、夕食を用意してもムダになることが何回かあったそうです。

彼女が文句をいったところ（誰でもいうと思いますが）、夫は自分の分は夕食の支度をしなくてもよいといったそうです。現在20代の子どもが生まれてから、彼女は夫の夕食の心配をしたことがないと話していました。

たまに仕事が早く終わったときは、コンビニなどで夕食を調達して、自分の部屋で食べているということです。夫は子ども時代から常に個室を持っており、結婚してからも自分の部屋を持つことが絶対条件でした。現在でも家にいるときは常に自分の部屋にいるということです。

夕食の団らんというものが一切ない家庭について、いろいろと考える人もいるでしょう。中にはこれでは家庭内別居だと思う人もいるかもしれません。でも、知人夫婦は私たちよりも前に結婚していますから、もう結婚30年を超えています。

子どもも3人います。夫から子どもの学費が足りない分はパートをして捻出して欲しいといわれた妻はそれに忠実に応えて、夫のいう通りの金額を稼ぎ、すべての子どもが学校を卒業しました。私は見事に夫婦が協力して、大変な時期を乗り切ったと思います。

知人が教えてくれたこと

彼女は、夕食や晩酌などの夫の世話がない分、私は楽だったから、といっていましたが、それをそう感じない人も多いのではないかと思います。冷たい家庭、会話のない家庭ともし思ってしまったら、家庭は途中で崩壊していたかもしれません。彼女の実家は昔ながらの日本の家庭そのもので、父の仕事の終わりを待って、夕食を家族全員でとって団らんを楽しむような家庭だったのです。

自分の価値観とは違う、夫を受け入れた彼女は本当に偉かったし、それをひけらかすわけでもなく、淡々としている態度を見ると、さらに偉いなあ、と感じます。こうあるべきだという姿にとらわれなければ、見えてくる幸せがあることを彼女は教えてくれているように思えます。

幸せの形は1つじゃないから

幸せの形も夫婦の形もひとそれぞれです。もし今自分が幸せでないと感じていても、それはこうあるべきだという幸せの形にとらわれていて、今の自分の幸せが見えなくなっているだけかもしれません。

こうあるべきだという姿にとらわれてしまうのは、結局他人の目を気にしているからでしょう。今までこの歳になって恋人もいないのは、結婚もしていないのは、子どももいないのは恥ずかしい、と思っている自分がいたのではないでしょうか。

この恥ずかしいという感情は終わりがありません。もし子どもが生まれても、今度は学校に行っていないと、成績がよくないと、就職ができないと恥ずかしいと思ってしまうかもしれません。そうなると、自分や家族が健康で一緒に生活できているという、もっとも大切な幸せが見えなくなってしまうのではないでしょうか。しかも今度は子どもまで巻き込んでしまうでしょう。自分だけでなく、子どもの幸せまで見えなくしてしまうかもしれないのです。

私も幸せになれるはず

今の私にとって、他人の目を気にする生き方は容易には変えられません。長女が漫画家を目指していることや、次女が引きこもっていることを知られたくないと思っている自分がいます。これはやはり恥ずかしいと思っているからに違いありません。

でも、自分が他人の目を気にしていると、自覚をできるようになっただけでも、進歩をしたと思っています。いつかは自分だけの幸せの形を見つけて、大切にしていけると確信しています。