未来は想像通りになる、かもしれない

生活

次女がとても良い映画だと言って、半ば強制的に「太陽を盗んだ男」を見せられました。1979年公開の日本映画で主演は沢田研二さんです。次女は今年25歳ですが、若い頃の沢田研二さんが好きで、ドラマ「悪魔のようなあいつ」も一生懸命に見ていました。

沢田研二さん演じる中学校の理科教師が東海村の原子力発電所に侵入して、プルトニウムを盗み、自宅で原爆を作るというのが映画のストーリーです。原爆を使わせないために、懸命に理科教師を止める警視庁の刑事を菅原文太さん、警察から逃げ回る理科教師に力を貸して、自分は事故死してしまうラジオのDJを池上季実子さんが演じていました。

興味深かった箇所は

映画を見ていると、あれ、これは今のことなのかな、と思える箇所が端々にあって、それが映画本編よりも興味深かったです。原爆を作る沢田研二さんが防護服の代わりに雨合羽を着ているところは、コロナに対応する医療従事者の姿を彷彿とさせました。

原爆作りに使用する部屋にはゴム手袋のようなものが付いている、透明なアクリル製のボックスがあり、手袋の中に手だけを挿入して作業ができるようになっていました。これが私にはPCR検査用のボックスにそっくりに思えてなりませんでした。

また、原爆を作る作業中には、きちんと線量計が使われており、プルトニウムが空気中にあると、線量計の針が大きく振れていました。私は東日本大震災の後、一時期線量計が広く使われていたのを思い出しました。

1979年、私は中学3年生でしたが、現在の世の中の状況を想像したこともありません。こんな世の中が来るとは思っても見ませんでした。携帯電話の普及ですら、私にとっては驚きでした。それなのに、この映画の中の端々に、まるで予言のようなものが見えるのは、驚きでしかありません。

これは人が考えた通りに未来は動くということでしょうか。人が考えないと、何も始まりません。そして、何が1つ小さなことでも考えつけば、未来は容易に変わっていってしまうような気がします。

みんなの考えた通りの世界になる?

こんなふうに世界が変わってしまうとは想像できなかった、ということは1つもなくて、実は小さな誰かの行いが重なって、世界は変わってしまうのかもしれません。だから、今この世の中が嫌だと言う人は、実は自分で自分の首を締めていることに気がついていないのかもしれない、そんなことを映画を見ながら考えました。

警察は結局理科教師を止めることができません。止めようとした刑事は、理科教師とともに死ぬ覚悟でビルから飛び降りますが、理科今日だけが運良く助かってしまいます。最後は人混みをフラフラと歩く理科教師の虚無的な顔がアップになり、画面は暗転します。何かが爆発する音が響いて、話は終わってしまうのです。

このストーリーは一体何を意味しているのか、私には納得できる答えが見つかりません。このままでは世界は破滅へ向かうだけだという警告なのでしょうか。世界が破壊される直接のきっかけは原爆であっても、理科教師にそれを作らせた責任は誰にあるのか、を考えろと言われているようです。

菅原文太さんが良かった

ちなみに私は身体をはって理科教師を止めようとした刑事が良かったです。菅原文太さんがまだ若く、アクションにもキレがありました。かなり至近距離から銃弾を撃ち込まれても、立ち上がり理科教師に向かっていく姿は、ちょっとホラー映画を彷彿とさせるものがありました。

晩年の菅原文太さんは有機農業に取り組み、食の安全を通して人の命を大切にすることに取り組んでいたそうです。彼は人の考えた通りに未来の世界が変わることが、わかっていたのではないでしょうか。

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