結婚前から夫はパチンコが好きでした。何かと理由をつけてパチンコに行くので(一度は仕事から帰ってきたときに、私と娘たちがいないという理由でパチンコに行ってしまいました。お前たちがいないのがいけないとい言うので呆れました)、私と喧嘩になったこともありました。
パチンコは負けることもありましたが、たまに大勝することもあり、そうすると負けたことは自分の中でかすんでしまうのでしょう。私は夫に家にいてイライラされるよりも、パチンコに行っている方がマシという気持ちでした。
生活費が減っている!
そんな夫がパチンコをきっぱりと止めました。今からもう13年前のことです。我が家は毎月生活費を銀行からおろしてきて、決まった場所にしまいます(それは今でも同じです)。必要があればそこから出して、買い物などに行くことにしていました。
夫はそこから勝手にお金を出してパチンコに行っていたのです。もちろん後で私にいくら出したのか、は聞いていました。ところが当時小学6年生だった次女が、お金のしまい場所と私や夫がそこからお金を出して使っていたのを知り、自分も同じことをしようと思ったようです。
明らかに生活費が減っているのに気がついたとき、最初は私の計算違いかと思いました。それで私は家計簿以外に、お金のしまい場所に出金表を用意して、いつ、いくら出したのかをわかるようにしました(それまでは家計簿にいくら入金したのかを書いていただけでした)。
しかし、それでも計算が合いません。一番多いときで3万円も金額が違っていたのです。それでもまだ私は家族が勝手に抜いたとは思わず、空き巣にやられたのかと思っていました。
夫が突き止めた真実
結局、私がPTAの用事で出かけていたときに、夫が次女の財布から、なくなったと思っていた3万円を発見しました。夫は最初から次女を疑っていたようでした。次女のものがドンドン増えていること、やたらと友だちと出かけているため、怪しいと思ったようです。
私はと言うと、次女のものが増えているのは、お小遣いで買ったと思っていました(お小遣いは小学6年生としては平均的な金額だったため、充分にあげていると思っていたのです。実はまったく足りていないようでした)。次女は割引になっていた、友だちからもらったなどと言い訳をいくつも用意していたのですが、今思うと情けない限りです。
次女を怒る私に対して夫はこう言いました。
これは俺のせいでもある。俺が勝手に生活費を持ってパチンコに行ったことを、次女はわかっていたんだ。そして、自分もこの家の一員として、同じことをしても良いと思ってしまったんだ…
夫はその場でもう絶対にパチンコは行かないから、お前も生活費を盗るな、と次女に言ったのです。正直、私はいつまで続くかと思っていましたが、13年間夫は一度もパチンコをしていません。
夫への感謝?
夫には不満もたくさんありますが、娘たちを見る目は冷静です。私がもし1人で娘たちを育てたら、距離が近過ぎて、困難があったら共倒れになってしまったでしょう。現に次女が家計費を盗ったと知ったとき、私は頭に血が上ってしまい、冷静な判断はできませんでした。
私は別に次女が家計費を盗ったのが夫のせいだとは思いません。長女だって少ないお小遣いでやりくりをしていましたが、別に家計費に手をつけたわけではないからです。
でも、夫の真心から出た言葉はきっと次女の心を動かしたことでしょう。子育て中に夫がいてくれて良かったと思いますし、パチンコも止めてくれて良かったです。やはり、負けがこむと家計に響きましたから…
そもそもそんなにパチンコにのめり込まなければ良かった、ような気もしないでもない…です。