PTAの役員をやって嫌なことは人によっていろいろと違うでしょうが、大体の人は時間を取られることをあげるのではないでしょうか。仕事を持っていてもいなくても、自分の時間を取られるのは、辛いことですね。
役員決めは、みんなが嫌な思いをする
私がもっと嫌だなと思ったのは、新年度のPTA役員を決めるときでした。
もう経験済みの人も多いでしょうが、1人の子どもにつき、1回は役員をやってくださいと、どこの学校でもいわれています。中にはポイント制になっていて、役員やボランティアを行うとポイントが付与される場合があります。この場合は1人が〇〇ポイント獲得していなくてはならない、などと決められているようです。つまり役員ができないなら、その分ボランティアでポイントを獲得しなくてはならないわけです。
私の子どもが通っていた学校では、役員ができない事情があるなら、ほかの保護者の前で、それを発表して、了解を得なくてはなりませんでした。了解が得られない場合は、有無をいわさずに役員決めのくじ引きに参加させられます。
役員ができない事情というのは、病気がある、仕事がある、介護をしているなど、その人のプライベートに関わることです。仕事を持っている人は最近は珍しくないので、どうしても仕事を休めない理由として、ひとり親家庭だということまでをみなの前で話さなくてはならない人も出てくるわけです。
本部役員が板挟みになることも
自分のプライベートを話したくない、でも役員はできないという人も出てきますが、そういう人はくじ引きで役員に決まっても、活動に参加しないことがよくありました。
役員は最初に顔合わせがあり、その次はPTA総会に出席して、正式に役員に任命されるわけですが、もうその時点で「私は出られません」という人もいます。活動人数が減ってしまうかもしれませんから、ほかの役員は黙っていられません。「何とかしてください。人数が少ないのは、不公平です」との要望が本部役員に寄せられることになります。
本部役員は、活動に出られないといい張る人を説得することもありますし、ほかに適任の人を探すこともあります。どちらも中々難しいことです。板挟みになることもしばしばです。私は、お願いの電話をかけて、怒られたこともあります。きっと普段はよい人なのでしょうが、正直そのときは怒りで電話をぶん投げたいほどでした。
活動の負担を減らすためにも、役員の人数を揃えたい
大切な仕事や介護がある中で、PTAの役員をやっていられないと感じる気持ちはわかります。ただ、現状は役員を毎年4月になる前に決めることになっているため、人数を揃えなくては、ほかの役員をする人たちに不安を与えることになってしまいます。
もし自分が役員になったときに、PTA本部から「今年は役員が揃いませんでした。例年よりも1人少ないですが、がんばってください」といわれたら、どんな思いがするでしょうか。
この現状を変えようにも、役員の任期は1年なので、行事をこなすだけで精一杯になりがりです。改革までは手が回らないのです。そして終わってしまえば、まさに喉元過ぎれば熱さを忘れるです。みんなで力を合わせて乗り越えられたね、という感想が出て、PTA役員を決めるときのいざこざは忘れ去られてしまいます。
1度役員の仕事を減らしてみよう
本当に問題を解決するなら、どこかで仕事を大幅に減らすことが大切だと私は考えています。どこの学校でも発行している広報紙は本当に必要でしょうか。役員の活動を伝えることや、子どもと生活をする上で必要な情報を届けられる便利なツールではありますが、なければないで何とかなります。
また、私が住んでいる地域では、大人になっても学びが必要だという観点から、成人教育をするための役員が存在していますが、毎年参加者集めに苦労をしていて、ビーズ細工やストレッチなど、まるでカルチャースクールのような内容になっています。これをわざわざ時間を割いて、役員がお膳立てをする必要があるでしょうか。
どうしても必要なことなら、やってくれる人は必ずいる
あってもなくても変わらないことはなくして、どうしても必要なことだけを残せば、人は仕方がないからやろうという気持ちになるような気がします。役員の人数が少なくて済めば、それだけ決める方の負担も減ります。役員決めに関する問題の解決に結びつくのではないでしょうか。
役員を減らすと、運動会やバザーなどの大きな行事に差し支えると考える人もいますが、もともとそれらの行事は土曜日や日曜日など、多くの人の休日に行われるものです。その日限りのボランティアを募っても問題はないと思いますが、いかがでしょうか。
私が子どもの頃、これだけ多くの主婦が仕事を持つとは思いもよりませんでした。世間は変わっていますし、これからも変わっていくでしょう。PTAだけが、そのままでは必ず行き詰まってしまうと思っているのは私だけではないはずです。
同じ子どもを育てる者どうしなのに、役員を決めることで、嫌な思いをするのはおかしいと、私は10年近くたった今でも思っています。