昨夜NHKのBSでダークサイドミステリーを見ました。内容が人類と感染症の歴史についてで、とても興味深いと思いました。
100年前と変わらない現在
特に心に残ったのは、今から100年ほど前に世界中に蔓延したスペイン風邪に対するアメリカ・サンフランシスコ市の対応です。サンフランシスコでは、マスク着用条例を作って、公共の場所でのマスクの着用を義務化しました。
番組では街中でマスクを着用している人々の写真が紹介されました。100年前と今でこれほど似た写真が撮れるとは驚きでした。他にもマスク購入のために列を作る人々の姿や、外出自粛で人影がなくなった町並みの写真もあり、いよいよ100年前と今が似通った状態であることがわかりました。
人との接触を減らし、どうしても必要なときにはマスクをすることでスペイン風邪にかかる人は一時はとても減ったそうです。しかし第一次世界大戦が休戦になり、世の中は一気にお祭りムードになってしまいました。人々の気は緩み、マスクをする人はほとんどいなくなってしまいます。
すると感染者は再び増え、結果的には3500人の人が亡くなりました。再び感染者の数が増えたところまでそっくりです。
スペイン風邪のときと結末が同じ?
私は最初、人類はスペイン風邪を乗り越えたのだから、今回のコロナも乗り越えられると希望を感じました。でも、よく考えると怖くなりました。
私たちが現在行っている対策は100年前のものと変わりがありません。感染症対策の王道はうがい手洗いと人との接触を減らすことですが、進歩がないと考えることもできます。
そして感染症対策として日常生活への締め付けがあると反動が来るのも今も昔も同じです。休校や外出自粛などを我慢した私たちはかつてのサンフランシスコの人たちと同じ状態になっているのではないでしょうか。一度気が緩んだ私たちはかつてのように外出を我慢することができないのかもしれません。
ここまで似ている点が多いと同じ結末が待っているのではないか心配になります。今話題のGo to キャンペーンは政府が主導して、国民の気を緩めようとしているように私には感じられます。
私たちにできること
私たちにできるのは過去のことを忘れずに現在に生かすことではないでしょうか。サンフランシスコの人たちは休戦やクリスマスで気を緩めて再び感染者数を増やしてしまいました。これを忘れなければ、私たちは今、もう少し我慢をしようと思えるかもしれません。
せっかく過去の人たちが残してくれたことを無駄にすることはないと思いますが、どうでしょうか。