尊敬することがわからない

リスペクト タブー

尊敬するということがどんなことだか、55歳になってもよくわかりません。この人いいな~、とか偉いな、くらいは思ったことがありますが、尊敬とは少し違うような気がしています。

父を尊敬していなかった私

私が子どもだった時代、学校で尊敬する人は誰ですか、と聞かれることがありました。大抵の子どもが自分の父親と答える時代でした。後からよく考えてみると、私の父親も尊敬できる面も持っていました。広島から上京して、アルバイトをしながら夜間の大学に通い、卒業してからは生き生きと仕事をしていました。後に仕事は本当に楽しかったといっていましたから、私が子どものときも、仕事のグチをこぼしたり、家族にあたることはありませんでした。

しかし父は無類の酒好きで、とにかく酒に金を使っていました。それが原因で夫婦喧嘩もひんぱんにある家庭だったので、私は父を尊敬する人と考えたことはありませんでした。勉強がよくできた、という話でしたが、わからないことを父に尋ねると余計にわからなくなったのも、尊敬できなかった原因かもしれません(多分父は私と同じで文系だったのでしょう。理路整然と話すのはとても苦手なようでした)。

母も尊敬できなかった

私の母も尊敬できる面を持っていました。父が49歳で脳卒中で倒れてから、母が父の介護をしながら正社員として働き、家計を支えてくれました。私と弟は母の働きで、無事に成人したのです。私と弟は母を尊敬するべきでしたが、少なくとも私は尊敬していませんでした。母は不安といらだちから、私たちにあたることも多かったし、私も家事などで協力しているという自負があったのに、それをまったく認めてもらっていなかったのが原因だったのかもしれません。

今なら、今の私よりも若かったのに、1人で一家の家計を支えなくてはならなかった母のプレッシャーを思いやることができます。私も同じ立場になれば、少々子どもにあたってしまうかもしれない、と思います。私の協力も、母の期待を下回っていたのだと思います。でも、気の毒だったと思っても、それは尊敬しているということにはならないと思います。

夫のことも

そして今、私が尊敬するべきは夫でしょうが、夫のことも尊敬はしていないと思います。夫の実家は昔から埼玉県の南部にあるこの市で、農業を営んでいました。両親が早く亡くなってしまい、夫を始めとする3人の男の子は祖母に育てられました。誰もが東京都内に職を求めた時代に夫は自宅の近くで働くことを最優先に職を決めました。祖母が心配だったのもあったし、父母がやるべきだった自治会などの仕事を自分が代わって行うためでもありました。

だから給与や待遇は彼にとって二の次でした。それが今の家計に響いていないといえば、嘘になります。そうやって自分の家のために精一杯のことをした夫の生き方は偉いと思わなくてはなりませんが、心底尊敬しているかといわれると、なんとも心もとないというのが事実です。

ただ、夫は私にこういったことがあります。

夫

尊敬している、なんて簡単にいうな!そんなやつは信用できない

実は夫の口からも、誰かを尊敬しているということは聞いたことがありませんでした。2人でとんでもない性格の夫婦なのかもしれません。でも、こういわれたことで、少し気が楽になりました。尊敬するということは突き詰めて考えていると、どんどんあやふやになってしまう、難しい問題だと思います。

コメント

  1. 葉月 より:

    こんにちは。今日は言葉を選んでコメントしたいと思って来ました。
    私は、ひとつの事を地味に続けていく人、誰に対しても同じ自分でぶれない、誠実な人が好きで、尊敬します。
    私は結婚相手を選ぶ時、愛情(熱々の頃の)が薄れても、尊敬出来る人なら添い遂げられるのではないかと思っていました。
    妻としてのフィルターはかかっているかも知れませんが、夫は尊敬出来る人だし、そもそもこんな私と35年連れ添ってくれたことは感謝しかありません。
    そんな夫は、入社試験の面接で、尊敬する人を聞かれて「坂本龍馬です!」と答えた人ですw
    尊敬の概念も対象も、人それぞれだと思います。でも心の中にそういう「憧れの人物」がいることもまた幸せかと感じています。

    • yumikoneko より:

      温かいコメントをありがとうございます。
      子どもの頃から尊敬できる人をすぐに答えられないと、ちょっと引かれたりしました。
      親も悲しむし、尊敬できる人は無理にでも作らないといけないのかと気を遣っていました。
      でも、私も心の中に憧れの人がいることは幸せだと思います。
      それは尊敬することがわからないからこそ、よく理解できます。
      ただ、私が見るところ、尊敬することがわかっていない人は、今たくさんいるように思います。

      それにしても、いつも読んでくださることについてもお礼をいいたいです。
      本当にありがとうございます。

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