植物は変わらない

柚子の木 季節

我が家はもともと夫の実家の敷地の一部に建っています。夫は早くに両親を亡くしたので、母屋には夫の祖母と弟が住んでいました。その祖母も20年以上前に亡くなり、弟も家を出ました。

植物だけが残った

老朽化した母屋は取り壊しました。祖母が生まれた家だったので、築100年以上はたっていました。でも、敷地内の様々な植物はそのままになっています。

水仙やヒヤシンスはいつ、誰が植えたのか夫も知らないようです。球根は花が咲いた後は掘り起こして、休ませてやらないといけないようですが、誰もそんなことはしません。でも、少なくとも26年(我が家が建ってから26年だからです)の間は、毎年花を咲かせています。植え込みの陰にひっそり芍薬の花が咲いているのにも、つい最近気が付きました。これも私たちが結婚する前に植えられたもののようです。

今年たくさんの花をつけたのは柚子の木です。この木は祖母が子どもの頃からあったそうですから、そろそろ100年たつのではないかと思います。私はこの家に住むようになって、始めて柚子の木を知りました。我が家の柚子の木は3m以上の高さがあって、実を取るのも一苦労ですが、柚子がそんな大木になるのは珍しいことのようです(農家などでは、もっと丈を詰めてしいます)。

確かに元気だった祖母は亡くなり、立派だと思っていた母屋はあっという間に老朽化して、取り壊されてしまいました。気がつけば様々な植物だけが、変わらずに花や実をつけて私たち家族を楽しませてくれています。人や物に比べて、植物は強いことにやっと最近気が付きました。

実は植物は強かった

以前、植物は儚いと思っていました。キレイな花が咲いてもすぐに散ってしまうし、実をつけても取らなければ、すべて下に落ちてダメになってしまいます。葉が茂っても、毎年丸裸になってしまいます。

でも、人や物と違い、植物は季節が巡ってくれば、また花や実をつけてくれます。実や葉は下に落ちても、それが自分の養分になることもあり、ムダにはなりません。今年、柚子の木の下に立つと、たくさんの蜂が来ているのが音でわかりました。人間ならもう老人の域に達している木ですが、今年中にはたくさんの実をつけるでしょう。

強い植物に安心できる

いつでも変わらない様子を見せてくれる強さがあるから、植物を見ていると癒やされるのかもしれません。私は実家が団地だったため、それほど植物に親しんでいませんでした。夫の実家に住むことになったから、植物に気を留めるようになりました。今年は特に植物の力を感じています。

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