修学旅行が軒並み中止になっています。東京都内の小学校では8割が中止を決めたと今朝のニュースで報道していました。当事者である小学6年生はもちろんがっかりしているでしょうし、それを見守る保護者もきっと自分のことのように残念に思っているでしょう。
修学旅行のリスク
何とかならないのかという声も聞かれますが、やはり修学旅行はリスクが高いと思います。子どもはコロナに感染しても重症化しないということはすでに知られていますが、もし高い熱を出したらやはりそれなりの処置が必要です。
私自身、何度か修学旅行や宿泊学習というものを体験してきましたが、必ずと言ってよいほど体調を崩したり、発熱する子どもがいました。
そんなときは保護者が現地に迎えに行かなくてはなりませんが、もしコロナに感染したら今のところ公共交通機関は使えないことになっています。
私本人は家の近所なら運転しますが、自宅と例えば京都を自家用車で往復するのは無理です。修学旅行に行ってしまうと、体調を崩しても自宅へ帰るという当然のことがとても難しくなってしまいます。
また、大勢での旅行は本人が思っている以上に、疲れやすく、コロナ感染のリスクがあると思います。私は修学旅行に行く度に、帰ってきてからしばらくは体調がよくありませんでした。
行けば楽しいこともたくさんありましたが、夜もよく眠れずトイレに行くのも気を使う日々はとても疲れました。体調を崩すのも無理はなかったと思います。それにすでに高校の修学旅行からでも39年経っています。もう思い出と言うほどの思い出は残っていないのです(あくまで個人の感想です)。
修学旅行再開に必要なものは?
私は子どもたちが再び修学旅行に行くためには、そのうち念書の提出などが必要になるのではないかと思っています。もちろん内容はコロナやインフルエンザに感染しても自己責任です、学校側に文句は言いません、というものです。
しかし修学旅行はあくまでも集団行動することが前提です。たとえコロナでなくても、誰かが体調を崩してしまえば、旅行そのものが成り立たなくなる恐れがあるのです。
私はコロナもインフルエンザも完全に防ぐのは無理だと思います(世の中のどんなことにも完全に大丈夫、絶対に大丈夫ということはあり得ないはずです)。現在は修学旅行に行かせるためには、または行くためには覚悟が必要な世の中になってしまったのでしょう。
後10年もしたら、コロナのワクチンができて、特別な病気ではなくなり、こんなことが笑い話になるのかもしれません。でも、昔から修学旅行での病気や事故はまったくないわけではありません。数は少なくても、確かにありました。自分や自分の家族が決してそうならない保証は、実は昔からなかったのです。
修学旅行は比較的新しい行事
修学旅行ができたのは、明治になってからだと言われています。栃木の学生たちが先生の引率で、上野の内国勧業博覧会を見学したのが始まりだったそうです。それまではなかったものをここまで続けて、思い出作りに役立ててきたのは他でもない私たち人間です。
だから、今修学旅行に行けなくて悲しい思いをしている人は、また別のものを思い出作りに役立てられるのではないでしょうか。修学旅行に変わる何かを見つけて、今から100年後には誰もが喜ぶ行事として、定着させることができるかもしれません。
この経験はムダにならないはず!
このがっかりした経験はきっとムダにならないはずです。修学旅行に代わる新しい行事が見つからなくても、将来自分よりも年下の人たちに語れる経験ができたと考えると良いでしょう。
「あのときはがっかりしたよ。大変だった。でも、何とか生きてこれたから、きっとこれからも大丈夫」何かがあったときに、不安に思っている人たちに、年上の人が安心できる言葉をかけられたら、こんなに素敵なことはありません。
がっかりした分、人の痛みがわかる大人になれるのではないか、私は修学旅行に行けなかった子どもたちに大いに期待をしているのです。
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