毎日出勤?する長女

長女は展示会の会場に毎日出勤 長女

今週、1週間の予定で展示会をスタートさせた長女、最終日まで会場になっている高円寺のアートスペースまで毎日出かけるそうです。1週間に1日も休みをとりません。

長女は普段アルバイトをしていますが、それはせいぜい週に2日から3日です。それ以上続けて出勤すると疲れてしまうと言っているので、長女がこの展示会にいかに力を注いでいるかがわかるような気がします。

結婚も出産も自分はできないと真顔で言った長女

もともと長女は自分のやりたいことをやるために、正社員にはならずにいることを選択しました。稼ぐのは最低限に抑え、その分浮いた時間をすべて自分のために費やすと最初から決めていたのです。その理屈だと結婚も出産もできないことになります。

実際に長女は、誰かのために時間を割かなくてはならない結婚や出産は自分には無理だと思う、と私に言ったことがあります。

世間には、ごく若い時期から早く結婚して子どもが欲しいと口にする人ばかりがいるわけではありません。私は赤の他人と結婚して家族を作ることに、不安を感じる人がいても不思議ではないと思うし、それが人間としては当然の心理だろうと思います。

しかし、長女の言葉には若さからくる思い込みや不安といったものは一切感じられず、私も心から『そうだろうな、無理だよね』と納得してしまったのです。

夫はそんなことをして、後に何が残るのかと思っているようです。確かに絵ばかり描いていても、それが収入に結びつかなければ、10年先は良くても、20年先に長女はどうなるのか、私も不安に思わないではありません。

今の長女に不安を覚えるけど

税金が払えなくなれば、現在住んでいる自宅を売り払い、どこかにアパートなどを借りて住むことになりますが、そもそも一般社会での人生経験に乏しければ、その売り払うところからかなりハードルが高くなってしまうでしょう。

こんな不安が募ってくると、これを手っ取り早く解消したくなるものです。つまり長女に対して、誰か良い男性を見つけて結婚して欲しい、そして夫の先祖が大切に守ってきたこの家を引き継いで欲しいと思ってしまうのでしょう。

ただ、結婚だって早くして欲しいといくら願ったところで、来月長女がめでたく結婚することにはならないでしょう。結婚は一朝一夕で成し遂げられることではなく、もし仮に成し遂げられたとしたら、そちらの方が何か裏があるような気がします。

それにたとえ長女が結婚したとしても、それですべてが丸く収まって何の不安もなくなるかと言えば、それも違うでしょう。結婚してもそれがうまく行かないかもしれないし、うまく行っても、夫となった男性が亡くなってしまうかもしれないです。誰がどんなふうに生きていても、不安をすべてなくすなど不可能な話なのかもしれません。

どちらに転んでも不安なら、長女が望む道の方がマシなのではないかと私は思っていますが、どうでしょうか。

展示会と言えば思い出す女性

なぜこんな話をするのかと言えば、私は長女が友人たちと展示会を行うと聞いたときから、1人の同級生のことを思い出しています。

それは私の高校時代の同級生です。私が結婚してしばらく経った頃、彼女から展示会の案内はがきが届きました。同級生も含めた3人で、創作人形の展示会をすると言うのです。私はその同級生が人形作りをしていたことも知りませんでした。

結婚したばかりで仕事もまだ続けていた私は、その展示会に結局行きませんでした。彼女が現実世界とかけ離れたところで生きているような気がして、自分とは違うなと思ってしまったのです。

でも、今彼女に会えるなら、展示会まで開くほど人形作りにのめり込んだ経験が、今どのような形で影響しているのかを聞いてみたいと思います。それが直接経済的な役に立たなくても、きっと生きる上での力になり、彼女を支えているのではないかと思うのです。いや、私がそうあって欲しいと思っているのかもしれません。

それは長女の生き方を肯定するためかもしれないし、それを認めようとしている私自身を肯定するためかもしれません。結局、私はいくつになっても、自分の意志だけでは足りずに、何か安心材料をさがしている意気地なしなのでしょうか?

そんなことを考えながら、今朝も長女のために弁当を作った私です(仕事に行っているときよりも、回数が多くて大変…)。

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