今は誰でも持っていると言っても良い自動車の免許ですが、私は結婚して子どもを生んでから取りました。
母には反対されたけど
独身時代は免許を取りたいと言うと、母に猛反対されました。一人暮らしには反対をしなかった母が、すごい剣幕で反対をしたので、それほど強い意思がなかった私はかんたんに諦めてしまいました。
結婚して長女が生まれてから、これからは夫一人の収入で家賃を払うのが苦しくなるのではないかと夫婦で考えました。そして夫の実家の敷地内に家を建てることになったのです。
夫の実家は私の実家と同じ市内にありましたが、バスはほとんど通っておらず、最寄りの駅までは徒歩で30分近くかかりました。車に乗れないと日々の買い物にも困るということで、夫は私の免許取得に俄然乗り気になったのです。
もともと運動神経が悪い私は、反射神経も鈍いようで、免許取得には時間がかかりました。最後には仮免許の期限が切れにそうになり、夫に仕事を休んでもらい、長女の面倒を見てもらって、教習所に通う始末でした。
母のために役立った免許
そうまでして取った免許ですが、私は夫の実家に引っ越してからもなかなか運転に慣れることができず、近所のスーパーに出かけるだけでぐったり疲れてしまいました。助手席に乗った夫と運転中に大げんかになり、後ろに乗っていた長女に大泣きされたこともありました。
でも、長い年月継続することにはすごい力がありました。私は少しずつ運転に慣れていき、買い物はもちろん、家族の通院に付き添ったり、駅までの送り迎えができるようになっていきました。
そして今から5年前、実家の母が急に具合が悪くなりました。病院に行くことを渋る母を無理やり車に押し込めて連れて行ったのは私です。もう、身体中が痛いから病院には行かないと言いはる母を後部座席に寝かしたまま連れて行ったのですが、あんなに気を遣った運転をしたのは初めてでした。でも、タクシーを呼んでも、同じことは頼めなかったと思います。
入院してからは、毎日私が顔を見せないと母が不安になるので、毎日病院に行きました。車なら30分で病院に到着しましたが、そうでないと時間は倍近くかかったと思います。
思い出したきっかけは?
こんなことを思い出したのは、こちらのブログ記事を読んだからです。
「パニックになり、空色の車を買う」こちらはぴーちゃんという方のブログ記事です。お母様の具合が悪くなり、入院することになったので、通うために車を購入されたそうです。この記事を読んで私は5年前の自分のことを思い出しました。そして、ぴーちゃんさんに共感しました。できれば、こんなことを伝えたいです。
車、買って良かったですね。絶対にあった方が良いですよ。看病にはいろいろ大変なことがありますから、移動くらいは楽をしましょうよ。
私は病院で母の顔を見る度に、心のなかで『私に免許があって良かったでしょう』と何回言ったかわかりません。悲しいこともありましたが、できる限りのことはしたんだ(毎日病院に行っただけですが)という実感は立ち直るきっかけも作ってくれたました。
免許と車と夫に感謝
空色の車はきっとぴーちゃんさんの役に立ってくれるでしょう。お母様が退院された後も、通院や買い物に車はあった方が良いと思います。
私は病院からの帰り道、車に乗っている時間で気分も切り替わりました。本当に免許と車(ついでに免許のために仕事を休んでくれた夫にも)には感謝しかありません。