年末が近づいて、夫もソワソワしている

丸裸にされたネズミモチ

年末が近づいて、私が大掃除を気にしてソワソワしているように、夫もソワソワしています。夫が気にしているのは、草刈りと庭木の剪定です。年末年始に備えて、少しでも我が家の庭をこざっぱりと見せたいようです。

もともと私たちは、夫の実家の敷地内に家を建てました。夫の実家が建っていた場所が一番家を建てるのにふさわしい場所でした。私たちは夫の実家よりもかなり道路に近い、言ってみれば前庭のような場所に家を建てたのです。

夫は庭木の剪定が好き

夫の実家を老朽化で取り壊した後は、私たちの家の裏に広い空き地が残りました。だから、夫は普通の家2件分(私の感覚から言うと、それ以上)の庭の管理をすることになってしまいました。

幸いなことに、夫は草花よりも木が好きなようで、どんなふうに枝を落とすと木が横に広がるのか、上に伸びるのか、はたまた遠くから見たときに格好が良いのか、など自分で確かめながら枝を剪定するのが面白くて仕方がないようです。

すべてを植木屋さんに頼むと、1度で数万円の出費になりますから、我が家の家計のためにも夫が庭木を剪定してくれるのは、ありがたいことでもあります。

しかし、夫は自分の好きなこととなると、のめり込みすぎる傾向があります。普段はあれだけ食べることに執着している人が飲まず食わずで作業を進めて、気が付くと日が暮れていることもあるのです。

でも、木を丸裸にしてしまうことも

また、夢中になって作業をしているうちに、どうしても枝を落としすぎることもあります。今回もネズミモチという木の枝を落としているうちに丸裸にしてしまいました。写真がそのネズミモチで、私の目には幹だけにされてしまったように見えます。

どうしてネズミモチというのか、と夫に尋ねたとき、夫はとても嫌そうにこう答えました。

ネズミの糞みたいな実がなるんだよ!

しかし、ネズミモチは大黒様に奉納されたりと、神様と何か関係があるようです。

今回、丸裸にされたネズミモチの木は、我が家の敷地内に神様の祠を作ったときに、側に植えたものです。なぜ祠を作ったかというと、夫の父が義理の弟(父の妹の夫でした)と忘年会に出席した後、乗っていた車が事故を起こして、39歳で亡くなってしまったからです。

つまり夫の父の妹は、自分の兄と夫を一度に亡くしたことになります。妹は夫との間に子どもはいませんでした。その後再婚しても子どもに恵まれず、49歳で病死してしまいます。一連の不幸を一掃するためには、神様を祀った方が良いと考えた親戚が居たようです。

夫は何かあると神様に頼るという考えが嫌いなようで、祠のことも気持ち良く思っていませんでした。確かに私が一緒に住むようになってからも、祖母や夫が祠に手を合わせていたのも見たことがありません。どうも、夫は側に植えられたネズミモチの木のことまで良く思っていなかったようなのです。

木も神様も付き合い始めると長い

まさか、それで丸裸にしてしまったわけでもないでしょうが、一度植えてしまったら、また祀ってしまったら木も神様もずっとその場に留まってしまいます。

祠を作った人たちはそれで気が済んだかもしれませんが、後に残った人たちが後始末をしなくてはならないことを少しでも考えてくれたらな~、と私は思います。そして夫はもっとそう思っていることでしょう。

そんなことを考えながら剪定していたから、ネズミモチは丸裸にされてしまったのかもしれません。

枝と一緒に嫌なことをバッサリ!

今日、夫は選定した枝をごみ処理施設に運んでいます。枝と一緒に夫のいろいろな嫌なことも一緒に捨てられたら良いと思うし、実際それができると私は思います。だから夫は年末が近づくと庭木の剪定のことを思ってソワソワするのでしょう。

それで、嫌なことはすべて今年のうちに捨て去って、また新しい年を新しい気持ちで始められるように思います。

結局私が大掃除と聞いてソワソワするのも同じ理由なのでしょう。家の汚れと一緒にすべての嫌なことを落としたいのだと思います。所詮、夫婦は同じようなことを考えているのですね。

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