先日、有名歌舞伎俳優の起こした事件が世間を広く騒がせました。両親は薬物の過剰摂取により死亡、自らも薬物の過剰摂取と疑われて救急搬送されたのです。一家心中を計ったと見られていますが、息子であり、有名俳優でもあった男性の言った「死んで生まれ変わろうと、薬をのんだ」という内容の言葉が深く心に残っています。
生まれ変わりを否定した高校時代
歌舞伎俳優である彼に似つかわしい発言と感じられましたが、彼は本当に生まれ変わりを信じていたのでしょうか。私は高校生の頃、制服姿で街を歩いていたところ、ある宗教団体の勧誘に引き止められ、数分間ですが話を聞かされ、困ったことがあります。
それは信者に手をかざすことが有名な宗教でした。私は街なかで頭上に手をかざされ、街行く人々にジロジロと見られてとても恥ずかしかったです。早く解放されたいため、とりあえず相手の話を聞くふりをしようとしていた私に宗教の勧誘をしていた人はこんなことを言いました。
生まれ変わりって、信じますか?この宗教を信じれば、死んでもまた人間に生まれ変わることができるんです。それって永遠に生きられるっていうことですよ。もう、死を恐れる必要がないんです。素敵でしょ?
私は幼いながらもその言葉を聞いて、イライラしてしまいました。そして、相手にぶつけるように答えたのです。
私は生まれ変わりたくありません。今回1回限りで結構です。1回だけだと思っているから、大変なことや嫌なことがあっても何とか乗り切ろうと思うんです。2回目、3回目があるなんてうんざりです!
今はそれほど否定していない
その頃の私は生まれ変わりなど非科学的だ、私は宗教には騙されないぞと思っていました。父が倒れたのを見計らって、実家に勧誘に来られたことでかなり不信感を持っていたのでしょう。
今はそう考えることが救いになる人もいるのだろうと思っているため、頭ごなしに否定しようとは思いません。まあ、私は1回限りの人生だと思った方が、一生懸命に生きるような気もしているのですが…。大体、生まれ変わりがあると証明できませんが、ないという証明もまだできていないはずです。私が絶対に生まれ変わりはないとは、言い切れないと思います。
しかし、仏教の考え方だと、人間が死んでまた人間に生まれ変わるとは限らないそうです。大抵の人間は、生きている間に様々な悪行を犯しているため、人間以外のものに生まれ変わり、苦しく辛い思いを味合わないといけないらしいです。
先程の歌舞伎俳優一家はそこのところは考えなかったのでしょうか。死んで首尾よく生まれ変わったとしても、動物として生きていかなくてはならなかったら、どう思うのでしょうか(もちろん動物としての幸せもあるでしょうが、かなり人間の犠牲になるはずです)。今の苦しみから逃れるためなら、それもまた仕方がないと考えたのでしょうか。
復帰をして姿を見せることが罪滅ぼしになると思う
私には歌舞伎俳優であった彼にどんな苦しみがあったのか、まったくわかりません。しかし、私を含め多くの人がいろいろと抱えている彼の芸に喜んでいたのも事実です。悪行を働いたのならなおのこと、生まれ変わる前に現世でもっとたくさんの人々に芸で喜んでもらったら良かったのに、と思っています。
これから彼は復帰することがあるのでしょうか。テレビの世界では難しいかもしれませんが、できる範囲で復帰をして欲しいです。どん底まで行った人も再び浮き上がれると証明することが、苦しい人々の心の支えになると思うからです。