全国で多くの熊が出没しています。今年は猛暑のため、熊の餌になるどんぐりなどが不作です。そのため、餌を探して多くの熊の行動範囲が広がっているそうです。
農作物の被害はもちろん、人間もケガをするなどの被害を受けています。勢い駆除をすることになりますが、この駆除に対して苦情を訴える人がいると報道で知りました。
苦情を訴える人というのは、どこに住んでいるのでしょうか。もし、自分は熊が出る心配のない場所に住んでいてただ「殺されるのはかわいそうだ」と言うなら、やはり身勝手だなと思います。
まだ実害がないのに不安
私が現在住んでいるのは埼玉県の西部(かなり南部に近い西部だと思う)で、東京都内へ通勤する人も多い都市です。今まで熊が出るなどと考えたこともありませんでしたが、今年になって最寄りの駅周辺で熊が目撃されたのです。
我が家は住んでいる市のはずれに位置しているため、最寄り駅は隣の市にあるのですが、それでも長女は仕事に行くときは必ずその駅を使います。正直言って嫌だな~、と思います。
また、駅から我が家までは自転車で10分ほどです。熊は時速40kmで走ると聞いたことがあります。熊がその気になれば、我が家まであっという間に到達できるでしょう。
夫は駅と我が家の間には川が流れているから、熊は来れないと言いますが、川には橋がかかっています。熊が橋を渡らないという保証はどこにもありません。
そんなことを考えていたら、なんとなく草むしりをしていても落ち着きません。私の立場ですら落ち着きをなくすわけですから、実際に熊が出没した地域の人は落ち着かないどころではないはずです。身近に熊による被害を受けた人がいるなら、恐怖で外に出られない、と感じるかもしれません。
熊を追い払えば良いと考える方もいるかもしれませんが、都市部では追い払うために人手も時間もかかります。中途半端に追い払っても、またそこで違う誰かが被害を受ける可能性があります。そうするとやはり駆除ということになるでしょう。
苦情を言う人は他人事なのでは?
苦情を訴える人というのは、熊の被害がまったくの他人事なのではないでしょうか。しかし、熊には足があり、かなりの速さで移動できます。熊だって生きるために餌を探しているわけですから、必死だと思います。
ですから、今まで熊の被害がなかった地域に住んでいるからといって、これからもないという保証はないわけです。
どうか、熊の被害を自分事として考えて欲しいと思います。自分の大切な家族が熊に襲われて大ケガをするかもしれないとき、それでも駆除に反対するのでしょうか。自分の住んでいる場所から遠いところに追い払う、それは先程も言った通り、他の人にケガをするリスクを負わせることになります。
それとも駆除に反対する人は、自分と家族さえ安全なら、それで良いのでしょうか?
野生動物とは距離感が欲しい
それに野生動物に出会うというのは、思いの外危機感を刺激されるもので、まったく楽しくありません。私は今年アライグマに遭遇しました。まだ幼い小さなアライグマですが、それでも危機感で鳥肌が立ちました。
もちろん、地球は人間だけのものではありませんから、他の動物が住むことに文句を言うつもりはありません。しかし、適度な距離を保ちつつ共生ができるように、専門家に努力をしてもらいたいと思います。
今回は熊と人間の距離が近くなりすぎました。一度それをリセットしてから、これからどうすれば良いのかを考えるのが人間の義務のような気がします。熊を駆除せずに済めば、それがどちらにとっても良いことに違いはありませんから。