娘たちが幼い頃、ハムスターを飼っていたことがありました。飼い始めたのは次女を妊娠しているときでしたから、もう25年も前の話です。夫の会社の同僚が飼っていたハムスターがたくさん子どもを生んだのでもらって欲しいと言われ、半ば強引にプレゼントされたのです。
早送りみたいな人(ハムスター)生だった
ハムスターはカップルで、メスは真っ白で気が強く、オスはおっとりとした性格で、背中に1本縦縞が入った茶色でした。ハムスターをくれた同僚はオスとメスをそれぞれ専用のケージに入れて、エサまでセットにして我が家に持ってきてくれました。
ハムスターはそれぞれ3年ほど生きていました。それくらいがハムスターの寿命なのだそうです。大きな動物も小さな動物も、一生のうちに心臓が拍動する回数は同じだと聞いたことがあります。
ハムスターの心臓は小さいから、人間に比べるととても拍動の速度が早いです。だから、人間に比べるととても早く天国に行ってしまうけれど、人間の一生とハムスターの一生は同じだけの重みがあるのだそうです。
ちゃんと見ていると、ハムスターも年を取っていくのです。特にメスのハムスターはすごい速度で老いていくのがわかりました。白くてキレイだった毛並みはボサボサで、何だかまだらになってしまいました。そして、ある日の朝、ケージの中を見ると目をカッと見開いたまま大の字になって動かなくなっていました。
それを見ていると、私は怖さすら感じました。年を取って死んでいくことを見せつけられたような気がしました。死ぬまでにも、いろいろなことがありました。
いろいろと心配もした
メスのハムスターは何度も脱走を企て、最終的にはケージのドアに足を挟まれて、大怪我をしてしまいました。前脚が1本、ちぎれかけてしまったのです。細い前脚は今にも取れそうになって、ブラブラ揺れていました。
夫と長女が急いで獣医師のところに連れて行ったのですが、「ハムスターは治療できません。放っておくしかありません」と言われ、スゴスゴ帰ってきました。
私たちの心配をよそに、メスのハムスターは最終的に、自分で自分の前脚を食いちぎってしまいました。そしてその後、2年近くも生き続けたのです。これは人間にはできないことだと、とても感心しました。
メスに比べてオスはおとなしく、思い出に残るほどのことがありませんでしたが、メスが死んだ後、それほど間を開けずに死んでしまいました。
夫が丸くなって動かないでいるオスのハムスターを手に載せて「見ろよ。まるで眠っているみたいだぜ」と言っていたのをよく覚えています。
このブログで思い出した
なぜ、こんなに昔のことをいろいろと思い出したのかと言うと、捨て魔人さんのブログを読んだのです。いつも楽しく読んでいたのですが…
飼っていたハムスターが死んでしまい、小学生の娘さんがとても悲しんでいるということです。きっと娘さんはたくさんのことを、ハムスターのおちょめさんから教わったのでしょう。
人に比べると小さいし、長くは生きられないけれど、ハムスターの重みは私たちと同じです。短く凝縮した一生を見せて、命はこうして終わるのだと教えてくれているような気がします。
娘さんはきっと1つ大人になったんだろうな、と思います。しかし、あれから我が家では動物を飼いたいという話は一切しなくなりました。やはり、みんな参ってしまったようです。
とにかく捨て魔人さんの娘さんが、早く普通どおりに過ごせるように、お祈りしています。