中高年はハラスメント世代?

生活

最近、様々な場面でハラスメントが問題になっています。少し前まで、セクシャルハラスメントくらいしか世間に知られていませんでしたが、今ではパワーハラスメント、モラルハラスメント、マタニティハラスメントなど、ありとあらゆることにハラスメントがあることを実感できます。

ハラスメントは日常だった

今朝もテレビの報道番組で、静岡県浜松市の認可保育園の保育士たち18名がパワハラ、マタハラに耐えかねて、集団で退職届を提出したというニュースを放送していました。

子どもたちや保護者の目の前で罵倒される、つわりは病気じゃないといって休ませてもらえない、などのパワハラ、マタハラが繰り返されていたそうです。私は現在55歳ですが、私が会社員をしていた30年ほど前は、このパワハラやマタハラと同じような内容が、日常生活として認められていたように思います。テレビで取材を受けていた保育園の園長は、手の感じから、私と同年代のように見えました。

私は一時期接客業をしていましたが、同僚の男性が日常的に上司の男性からお客様の目の前で大きな声で怒鳴られているのを目撃していました。それを見るたびに毎日身が縮む思いでしたが、とうとうお客様から、見苦しいので客の目の前で店員を怒鳴るな、というクレームが入りました。私と同じことを考えている人がいるとわかり、とても嬉しかったのですが、上司にはなぜクレームが来るのかが理解できなかったようです。

ハラスメントをする人に悪気がない場合がある

上司は、部下をよくしたいという思いで叱っているのであって、部外者に何かいわれる筋合いはないと考えてしまったようです。結果として同僚の男性社員は会社に来ることができなくなりましたが、あくまでも会社側は男性社員に問題があると考えたようです。

私自身も、就職するときの面接で「若く見えるね」といわれ、どう返事をしたらよいかわからなかったので、とりあえず「ありがとうございます」と返したところ、「若く見えるのは、稚拙で劣っているように見えるといわれているのと同じだよ」と怒られたことがありました。私は面接を受けている相手に、何の恩義もありませんでした。その日初めてあった人です。今なら問題発言といわれるように思います。

私の上司だった人のように、ハラスメントをする人に、悪気がないことも問題だと思います。自分が悪いことをしている意識がないために、外部からの意見や働きかけを受け入れることができないからです。

ハラスメントをなくすために、必要なのは

つまり私たちよりも上の年代は、様々なハラスメント行為が当然のことでした。自分もそうされて成長してきたから、何の疑問も持たずに相手に同じことをしてしまいます。今さらそれが問題だといわれても、どうしたらよいかわからないのです。

すべての中高年がハラスメント行為をしているわけではありませんが、ハラスメント行為をしていない人というのは、2種類いるようです。とても思いやりがあって自分がされて嫌だったことはしない人と、とても利口で自分の身が危うくなることはしない人です。

ハラスメントをなくすためには、ハラスメントの何が悪いのか、根気よく私たちの世代から学習していく必要があります。根気よく学習することで、ハラスメントが人にどのような影響を与えるかが、私たちの身につくのではないでしょうか。

もう、若くないと自覚をしておこう

私たちの世代は、昔の中高年に比べて、気持ちも見た目も若い人が多いです。自分では若いつもりでも、本当の若い人にとっては、大人であり上司であり、力のある存在です。

私たちのやることが、若い人を絶望させることがあるのだということを、もっと自覚するべきでしょう。そして意外に自分は若い人の気持ちは、わからないのだということも自覚しておいた方がよいでしょう。私たちは若くはない、けれど大人なのだ、これでよいのではないでしょうか。

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