不動産が負動産になっている場合は意外に多いのではないか?

アパート 生活

昨年末に大阪のメンタルクリニックで放火殺人事件を起こした男性について、所持金がほぼ底をついていたにも関わらず、不動産があるために生活保護受給がかなわなかったという記事を読みました。

無職だった男性は、自分がローンを組んで購入した家と父親から相続した家を持っていたそうですが、家賃収入は途絶えてしまったと記事にはありました。自分が生きていくために無職だった男性に考えられるのは、生活保護の受給くらいだったのでしょう。

土地イコール収入ではないという現実

実は夫の弟(54歳・無職で現在住む場所を探しています)も土地を持っていますが、夫の実家が農家だったことから、すべて農地です。農地は所有者やその家族が家を建てることはできますが、宅地にして売ることは簡単ではないそうです。夫はかつて、弟が実家の近所に帰ってきて、家を建てることがあるかもしれない、と考えて農地の一部を弟に相続しました。

だから、弟がもしこの先生活保護を受けるとしたら、土地を持っていることがネックになるわけです。弟は現在、その土地があることでほとんど恩恵を受けていません。資材を置かせてくれ、と言われて格安で貸しているため、年に10万円程度の現金を受け取っていますが、それで生活が成り立つわけではありません。

土地を持っていても、土地が何をしてくれるわけではないのです。土地があって収入を得られるのは、駐車場にするとか、アパートを建てるとか何か働きかけができる人だけでしょう。それには土地のある場所がとても重要になってきます。

我が家のように駅からは遠く、人通りの少ない場所に駐車場やアパートはそれほど要らないでしょうし、第一駐車場もアパートも作るためには、それなりの資産が必要になります。

土地があっても、それがお金を生み出すようになるためには、自分にある程度の資産が必要な上、時間も必要です。今日預貯金が0になったからと言って、明日すぐにお金を得られるようにはならないでしょう。

件の男性はもう、にっちもさっちも行かなくなってしまったのかもしれません。不動産を処分するといっても、精神状態も悪く、人とのつながりのない男性にはかなりハードルが高かったはずです。生活保護の受給はかなわないとしても、何か救済の方法はなかったのかと思えてなりません。

救済方法はあるのか?

何か良い方法が存在するのかもしれませんが、なかなか私たちの耳には入ってこないようです(もちろん、私のアンテナのせいもあると思います)。生活に困ったときは、こんな方法があるのだと、誰にでもわかっていれば、男性のように切羽詰まり、大変なことをしてしまう人が減るかもしれないと思います。

夫の弟だけでなく、私の娘たちにもこれは大きく関係してくると思います。私や夫が亡くなった後、この田舎の家と敷地を娘たちが維持できるとは思えません。固定資産税などは払えないでしょう。

娘たちは2人とも、収入がないに等しいです。長女は一応仕事をしていますが、ほとんどアルバイトです。学生でももっと稼いでいる人はいると思います。

夫も私もまだ50代ですから、当分はこの家での生活が続くわけですが、意外に早く年月は過ぎてしまいます。これで安心して死ねる、と思える日々が早く訪れて欲しいです。こんなふうに思っている人はきっと私だけではないと思います。地方に住んでいる人は、家や土地、さらにはお墓までを後々どうするのかと、皆ちょっとは心に引っかかりを覚えているのではないでしょうか。

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