我が家の長女は不眠を見てもらおうと出かけたクリニックで発達障害を疑われたことがあります。そこでは簡易的なテストを受けさせられ、かなり疑いは濃いと告げられたそうです。
私も話を聞いて発達障害について、ネットで少しだけ調べましたが、長女の特性と思っていたものの多くが発達障害のそれと重なることに驚きました。長女の部屋は散らかり放題、ものの管理をするのも下手です。一般社会で大切なものでも、長女にとって魅力がないものはすぐに失くしてしまいます。
自分なりにものを管理していた長女だったが
これをしつけることで何とかしなくては、と思っているときは私も辛かったのですが、30歳を迎える現在は、長女が自分でものを管理するために、いろいろな工夫をしながら生活するまでになりました。その工夫の1つが失くしそうなもの(スマホとか鍵など)は首から下げておくことです。
かなり長い間それでうまく行っていたのですが、先日会社のカードキーを入れたカードケースを失くしてしまいました。首から下げるためのホルダーの留め具が甘くなっていて、外れて落ちてしまったのに気が付かなかったようです。鍵など金属製である程度の重さがあれば、落ちるときに音がしたのかもしれませんが、カードケースは音もなく落ちてしまったのでしょう。
気に入っていたものだったようで、長女は落とした場所として一番疑わしい駅近くの駐輪場などを自分で探し回り、交番に遺失物届けを出しました。ただ、長女が落としたカードキーには名前などが書いてあるわけではなく、もし誰かが拾ったとしてもそれが何だかわからない場合もあります。誰かが拾って交番に届けてくれる可能性はかなり低いと思わざるを得ませんでした。
忘れた頃にカードケースが見つかった
その後すぐに我が家は家族でコロナに感染してしまいました。家族全員が回復したときにはすでに年が代わっており、正直言って長女のカードケースのことは忘れていたのです。ところが1月も折り返し地点を過ぎた今日になって、朝出勤した長女から誇らしげにラインのメッセージが届きました。
なんとカードケースが見つかったとのことです。長女はわざわざ写真まで撮って送ってきましたが、それは確かに長女のもの(ちょっと変わったキャラクターもので、一見気味悪い感じがする)でした。聞けば長女が探し回っていた駐輪場の隣の駐車場に落ちていたと言います。
拾った誰かが、拾ったものの何だこれは?と思ってポイッと投げ捨てたのでしょうか?そんな気がしないでもありませんが、とにかく失くしたと思ったものが無事に出てきたのは喜ばしいことです。
私も嬉しい
私としても長女が普通の社会生活を送るために、工夫をしていた(他にもメモを活用する方法など、私もちょっと感心していました)のを見ていたので、今回のことはとても嬉しいです。なんというか、長女の工夫がムダではなかったことが証明されたような気がするのです。本人までがもう無理だろう、出て来ないよと思い、諦めていたものが出てきたのですから、これは何かが長女の背中を押してくれているとも受け取れます。
長女がカードキーの入ってケースを失くしたことを知ったとき、夫はこんなことを言っていました。
それは絶対失くしちゃいけないヤツだろう!カードキーを失くすなんて始末書ものだよ。普通はそういうものは絶対に失くさないんだよ。
それでも、カードケースが出てきたということは、長女が何かにこんなことを言われたのだと思います。「これで間違っていないよ。このまま進みなさい」
きっと夫もカードケースが出てきたことを知ったら、驚くと思います。