ケアする人のケアはどうなっている?

タブー

俳優の芦名星さんが亡くなったことで、いのちの電話がテレビで紹介されているのを何度か目にしました。一人で抱え込まずに誰かに相談しましょう、というわけです。

悩んでいる人の話を聞くのは大変なこと

誰かに相談する、話を聞いてもらうのはとても良いことだと私も思います。しかし、本当に死にたいほど悩んでいるときに、自分からアクションを起こして電話をかけられる人が何人いるのかについては疑問を持っています。

そしてそういった電話をとる人のことも考えてしまいます。仲の良い友だちの話しを聞くのと、死にたいほど悩んでいる人の話を聞くのは全く違うことだと思います。大きな悩みを抱えた人には、生半可な助言はできないし、しない方が良いでしょう。

すると、ただ話を聞くのが良いということになりますが、実はそれが難しいのではないでしょうか。話をただ黙って聞くことが、どんなに難しいか、大半の人は知っていると思います。

悩みを聞くとアドバイスしたくなる

誰でも子どもや夫が何かを相談してきたら、こうすれば良いのよ、とアドバイスをしたくなるでしょう。しかし悩みを持っている人は、思うようにできないから悩んでいるわけです。素人がアドバイスをしたところで、そうできるなら、とっくにやっているよ、と言いたいはずです。

でも、それがわかっていても、私たちはアドバイスをしたくなります。そして悩みが解決したことにしたいのです。話なら自分が聞いて欲しいと思っている人がほとんどです。

また、深く悩んだあまりに、心の健康が失われている相手には、自分の言葉が届かない場合があります。それを実際に経験するのは意外に辛いです。相手とまったく会話にならない、または噛み合わない場合は、だんだんその人と会話をするのが怖くなってしまいます。

私は以前、友人との電話で怖い思いをしてしまい、結局その友人との付き合いを断ってしまいました。悪いことをしたと今も後悔していますが、だからといってもう1度話を聞こうとは思えなくなってしまったのです。

いのちの電話に出るのはボランティアであり、プロ

そうならないためにも、悩みを抱えた人と話をするためには、きちんと教育を受ける必要があります。いのちの電話で話をするのは、すべて研修を受けたボランティアです。

これは一例ですが、「東京多摩いのちの電話」では電話相談員になるためには、一年半の研修を受ける必要があります。研修は有料で7万円ほどかかります。ボランティアだから報酬があるわけでもなく、自分の持ち出しで研修を受けて電話を取っている人がいるわけです。

コロナ禍の中で、電話を取る環境が密になるとボランティアを諦める人も出ているようですが、実際にはコロナが流行る前から、ボランティアをしようとする人は減っているそうです(以前、新聞記事になっていました)。

私たちにできることは?

私はメディアでいのちの電話を取り上げ、紹介するなら、それに関わる人たちについても紹介する機会を増やして、支援できることはないのか考えて欲しいと思っています。

例えば、ボランティアの現状について知らせるだけでも、状況が変わっていくかもしれないと思います。

悩んでいる人をケアするのが、いのちの電話のボランティアですが、その人たちもまた人間で、疲れたり傷ついたりすれば誰かのケアが必要です。私がこのブログに書いたところで、という感は否めませんが、やらないよりはやった方が良いはずです。

誰かが注目して、ボランティアが1人増えるかもしれません。だから、こんな記事を書いてみました。

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