今朝も発達障害の女性の生きにくさについての特集を興味深く読みました。内容を長女と重ね合わせているところもあるし、私自身と重なることもあり、とても興味をひかれる特集だと思っています。しかし、今朝読んだ内容には少々納得できない部分がありました。
発達障害を夫にも隠す!
結婚して家事や育児がままならなくなった発達障害の女性は、2人目の子どもが障害を抱えて生まれてきました。そして出産後に自身の障害にも気が付きます。医師から診断も受けましたが、女性はそれを夫に隠し通そうとします。それは2人目の子どもの障害について、夫の両親から「ウチの家系ではない」と言われたことが理由です。
このことがきっかけとなり、自分までが障害を抱えていることを知られたら、夫と離婚をさせられ、子どもから引き離されてしまうと女性は考えたのです。女性の必死な気持ちはわかりますが、これで良いのでしょうか。
私は隠すべきではないと思う
女性は夫には発達障害を隠したまま、同じ悩みを持つ人たちとつながり、何とか生活をうまく回していく方法を考え、取り組んでいます。女性はこだわりの強い自分の性質を生かして、日常の生活を細かくルーティン化して、日常生活に伴う家事をうまくこなしていくことに成功したのです。
これはとても良かったと思いますが、私には女性が発達障害のために普通の人ができると思われていることができず、苦しんでいること(つまり生活全般に多大な苦労をしながら、2人の子どもの育児に取り組んでいること)を夫が知らないということが納得できません。
もし、女性が発達障害ではなく持病を抱えていたらどうでしょうか。それを隠して家事や育児に取り組み、無理がたたって病が悪化したとしたら、夫はそれを隠されていたことで孤独に陥らないでしょうか。発達障害で妻が苦しんでいる、日常の生活には工夫が必要だとしたら、それを夫も分かち合い、こんな工夫ができるよと考えるのが夫婦ではないのか、と思います。
そのうち夫が孤独になる
確かに夫の両親は言ってはいけないことを言いましたが、両親は夫とイコールではありません。夫の両親にまで発達障害まで言う必要はないと思いますが、夫には知らせて、2人で一緒に育児に取り組むべきではないでしょうか。だって子どもは妻だけのものではありません。
私はかつて夫に「俺は稼ぐことで十分育児に参加している」と言われ、意固地になってしまいました。育児に関するあらゆることを夫には知らせず、一人で行いました。夜泣きをしても、熱を出しても一人で面倒を見ようとしました。結果、長女は私だけになつき、夫はかなりの孤独感を味わうことになったのです。
私がかたくなに一人で育児に取り組んだことは、結果としては夫にかなり痛いしっぺ返しをすることになりました。もし、女性も自分の夫にしっぺ返しをしたいなら、別に止めませんが、家族としてこれからも長い道を一緒に歩むつもりがあるなら、発達障害であることを打ち明けて一緒にうまく生活していくために話し合うべきだと思います。
夫の両親とのわだかまりを少なくしたい
そしてできれば夫の両親とのわだかまりも少なくするべきです。両親もつい、口から出てしまったのでしょうが、生まれてきた子どもの障害や個性は決して両親のどちらかのせいではありません。子どもは子どもだけの個性を持って生まれてくると私は思います。夫がそんなことを言わないでくれ、と両親に言うべきだと思います。
今後家族として付き合いをするなら、言われたことをなかったことにはできないでしょう。ぜひ、お互いにわだかまりを抱えているなら、それを解かす機会を設けて欲しいです。
障害のあるなしにかかわらず、小さな子どもを育てるなら、家族の協力は必要不可欠のはずです。わだかまりのせいで、それができなくなるのは残念ですし、夫の両親といえども、後々は誰かの手をわずらわせることになります。誰にも協力できない人を助けたいと思うでしょうか。
工夫をしているなら、公開してくれると嬉しい!
この特集を読んでいて感じましたが、発達障害の人は生活をしやすくするため、自分で工夫をしている人も少なくありません。その工夫をもっと詳しく公開してくれたら、私はとても嬉しいです。それは結局、普通の人たちが生活しやすくなるライフハックになりうるからです。私はパートの仕事を始めたとき、発達障害の疑いが濃い長女のアドバイスがとても参考になりました。
最近はバリアフリーが浸透してきましたが、あれは別に障害を持っていない私たちにも優しいということが最近よくわかってきました。急な階段よりはなだらかなスロープの方が私たちにも危なくないですよね。だから、発達障害の人の工夫は、きっと多くの人の役に立つと思うのです。