専業主婦でもそうでなくても、子どもがいる人なら、毎年大きな問題になるのがPTAの役員です。役員にも種類があって、最初の子どもの場合は何をすればよいのかがわからない場合もあります。私の体験を知らせることで、誰かの役に立てばよいと思います。
広報委員は仕事内容がわかりやすい!
PTAの役員は地域や学校によって名称や内容に違いがあります。でも、どこの学校でも大体共通しているのが、子どもの安全を守るための委員と学校の広報誌を出すための委員ではないでしょうか。私の子どもたちが通っていた学校では前者を校外生活委員会といっていました。1回名前を聞いただけでは、活動の内容があまりイメージできないな、と私は思いました。
それに比べて広報委員会は、とてもイメージしやすかったのです。もちろん広報委員会はどこの学校でも評判がよくないことは知っていましたが、シンプルに広報誌を作る、とわかっていた方が1年間頑張れるような気がしました。
広報は、どうして集まる回数が多いの?
広報委員会がどこの学校でも評判が悪いのは、集まる回数が多いからです。まず、どんな内容の広報誌を作るかを、会議して決めてから、取材の割り振りをして、実際に取材に出かけます。取材が終わったら原稿を書いて、担当者に提出、もしくは自分でパソコンに入力する必要があります。
ここまででも最低3回は集まる必要があります。広報誌の内容が決まらないと、会議がもっと増えることもあるでしょう。広報誌の内容によっては、取材が増えることもあります。
この後広報誌としての体裁を整え、印刷会社に提出、もしくは自分たちで印刷をします。印刷が終わっても、出来上がった広報誌をクラス毎に分けて配布する準備は広報委員でしなくてはなりません。
広報誌は生徒たちだけが持ち帰るのではなく、大抵の場合は地域の人にも配ります。公民館や商店など、人が集まるところに置いてもらい、少しでも多くの人に目を通してもらいます。地域の人たちに配布するのも広報委員の仕事になりますが、これは仕事としてカウントしてもらえないことも多いのです。私が広報委員をしたのは、小学校でしたが、広報誌の発行は年に3回でしたから、集まる回数も3倍になります。
集まる回数が多いことだけに注目していると、引き受けるのがバカみたいに思われるかもしれませんが、いかにして集まらないでも済ませることができるかを考えるのも楽しいだろう、と私は考えました。結局私は広報委員を2回やり、2回目は委員長を引き受けました。
集まる回数を減らすためにできること
結果として広報誌ができればそれでよいので、その過程は関係ありません。どんな広報誌を作るか、意見が出なくて皆が黙ったまま時間が過ぎることもよくあるようですが、私は必ず意見を出しました。1つ意見が出ることで、ほかの意見が出やすくなります。たとえこれはダメだ、ということになっても、何も意見が出なかったときよりは、1歩前進しているはずです。
何よりも自分が意見を出すことで、1回会議が減るかもしれないと思えば、無理をしてでも意見を出そうという気になります。
もし、広報委員長になるなら、このことをよく委員のみなさんに伝えておくとよいでしょう。少しでも負担を減らすために、なるべく1度の会議で多くのことを決めたいから、ぜひ意見を出してくださいといっておけば、委員のみなさんの気持ちは変わるはずです。
ほかに私が心がけたのは、自分ができることを周りに早めに伝えることです。パソコンの入力は何とかします、だからほかのことはお願い、といったので本当に私はパソコンの入力をすることが主な仕事になりました。家にいてできることなら、私は苦にならなかったので、これはありがたかったです。また、私ができることを伝えたことで、ほかの人も私は写真を撮る、取材に行く、などといってくれました。役割分担が自然とできるようになったのです。
来年以降のことも考える!
PTAの仕事にはマニュアルがしっかりあるわけではないので、最初は不安に感じる人も多いようです。私は日誌のようなものをつけて、広報誌が1つ出来上がるまでの過程を、次の広報委員に伝えることにしました。
1からマニュアルを作ろうと思うと大変ですが、日誌ならあったことを記録するだけです。その方法を採用するかしないかは、次に広報委員になった人が決めればよいのです。マニュアルがないということは、自分の方法でやってもよいということです。もしもそれで、文句をいわれたら、毅然と答えることも大切です。
「マニュアルがなかったので、自分の方法でやらせていただきました」
こう答えることは、自分のためだけでなく、次に広報委員になる人のためでもあります。
本当に必要なものだけ残したい!
PTAの役員をすべてやり終わり、子どもたちも卒業してから、私はPTAは本来任意で加入できることを知りました。子どもたちが通っていた学校では、加入しないと学校行事などで子どもが肩身の狭い思いをしそうだったので、加入しないという選択肢は考えもしませんでした。
私はPTAを否定する気持ちはありません。子どもを通わしている以上、学校とのパイプラインにもなるPTAは大切な存在です。ただ、もう少し保護者の負担が軽くなってもよいのではないかと思います。例えば、広報誌は本当に必要でしょうか。自分が広報委員の頃から、一体何人がこれを読んでくれるのか、と疑問でした。必要がないことはなくすことも、これからPTAを続けていくためには大切です。
本当に必要なものなら、意外に人はそっぽを向かないと思います。こんなにPTAの評判が悪くなるのは、負担が大きい以外にも必要性が感じられないからではないでしょうか。