最近いろいろな方のブログを読んでいると結構な確率で出てくるのが、朝ドラ「ちむどんどん」についての感想です。我が家でも引きこもりの次女がハマって、一生懸命に録画をして(昼夜逆転しているため、リアルタイムでは見られないのです)見ています。
”にーにー”には賛否両論?
次女は竜星涼さんが演じている”にーにー”が好きなのですが、このにーにーには賛否両論あるようです。もう、皆さんはよくご存知でしょうが、父を亡くして生活が苦しい中、主人公暢子(暢子は4人兄妹の次女)の姉妹はそれぞれに懸命に生活しています。ところが長男のにーにーだけは別です。
高校を中退した後、家でブラブラしていたにーにーは、ついには詐欺話に騙されてしまいます。もともと父が事業を始めるためにしていた借金と相まって、比嘉家の経済は大変なことに。こんなにーにーを母は責めるどころか、フォローしたりかばったりするのですが、これが気に入らないという方が多いようです。
普通ならもっと怒っても良いだろう、甘い顔をしているからにーにーが付け上がるのだ、と言いたいのかもしれません。中には沖縄では殊の外長男が大切にされているため、どこの家にもにーにーのような息子がいるのだ、と解説している方もいました。
沖縄以外にも”にーにー”がいた!
しかし、長男が大切にされたのは沖縄だけではありません。日本全国、どこでもそうです。私が生まれたのは前回の東京オリンピックが開催された1964年ですが、その当時も、まずは男の子が1人は欲しいという風潮がありました。
私が成人する頃には、さすがに言われなくなりましたが、子ども時代にはあからさまに
「男の子は名前を継いでくれるから」
「女の子は別の家の人になっちゃうから」
と言われたものです。だから、男の子が大切だと言うことだったのでしょう。
少し大きくなると進学のことでも言われました。
「男の子は無理をしてでも四年制大学へ」
「女の子はどうせ結婚しちゃうんだから、進学しなくても良いよ」
こういうセリフをずっと聞かされていると、何だか自分が蔑ろにされた気がしました。
そのときに、すぐに私が怒ったかと言われるとそうではありません。ニコニコという事を聞いていたのですが、静かに不愉快な気持ちは積もって行ったようです。私と同年代の方は、程度の差はあるとしても、未だにこんな気持を抱えているのではないでしょうか。
そんな気持ちを抱えたまま大人になった方が「ちむどん」を見たとき、今までの隠れていた不愉快な気持ちが弾けてしまったような気がしてなりません。皆さんが嫌だとか、不愉快だと言っているにーにーは、本当はかつての自分の兄や弟、たくさんのクラスメートなのだと思います。きっと画面の中ににーにーは、そんな男の子たちの象徴なのです。
しかし、こんなに皆さんが夢中になる「ちむどんどん」のにーにー。たくさんの批判の声を聞いていると、昔からよく言われている「嫌よ嫌よも好きのうち」という言葉を思い出さずにはいられません。竜星涼さんのルックスと演技力に皆さん、メロメロなのでしょう。お母さんに溺愛されるのも仕方ないかもしれませんね。
結局みんな”にーにー”から目が離せないわけだ
ちなみに次女は「お母さんは、子どもみんなを愛していると思うよ。にーにーだけじゃない!」とお母さんのことをかばっていますが…
男の子と女の子、両方いるお母さんは、男の子は本当に無条件にかわいい、と言います。これは実際に長女のクラスメートのお母さんが言っていたし、私の母も言っていました。子どもの頃は、不公平だと感じていましたが、今になるとそういうこともあるのだと妙に納得できます。理性の力だけではどうにもならないことがやはりこの世にはあるのでしょう。
かくいう私はちゃんと朝ドラを見ていません。1回15分というのが、ちょっと…話がなかなか進まなくて、嫌になってしまうのです。それに私はいくつものドラマを本気で見られません。今は「鎌倉殿の13人」だけで、精一杯です。